電子カルテ導入前の状況2

将来的に電子カルテ化は必須と考えていましたが、その投資に見合っただけの成果を得ることが可能かどうか、が大きな課題でした。急性期病院が導入している電子カルテでは導入に数億から10億円、さらにメンテナンスコストが年間1億以上などと言われています。年間の総収入が7〜8億という規模の当院でその規模の支出は非現実的な数字です。(公立病院では平気でこういう支出が行われ、経営悪化の原因となっています。年間いくらの減価償却までが自分たちの負担可能な範囲なのかを理解しない電子カルテ導入は破滅への第一歩でしょう)一般に言われる1病床あたり100万円という額は限界を超えた数字であると試算されました。
2年前、バラマキ政治の象徴のとも言える地域医療再生基金が全国の都道府県に50億ずつといういかにも大雑把な形でばら撒かれました。鳥取県はその予算の中に電子カルテ補助金という項目を設けました。案の通りに実施されると、うちの病院の規模でも1800万という巨額な補助金になる計算。その分だけ病院の自己負担が減れば、導入の実現性がアップします。
過去のメールの履歴をみると2010年6月、それまで幾つかチェックしたり、お話を聞いたりしていた電子カルテのベンダーさんにデモの依頼のメールを出していました。電子カルテへ向け、始動したのは2年前のことでした。