電子カルテ導入前の状況1

5年前、今の職場にやってきました。カルテは紙のままでしたが、リハだけは部門システムのリハメイトが稼働。医事課にはレセコンが動いており、院内の各部署には院内LANがすでに敷設され、法人内はグループウェアサイボウズで情報共有可能、リハ実施計画書などの書類作成にはエクセルが使用されているという状態でした。DrにはPCが机に一人一台ずつあり、インターネット接続可能という環境。電子化の素地はすでに整っているかとおもいきや、レセコンとリハ部門システムは、ともにスタンドアローンで使用されていて、レセコンに入れた患者基本情報はリハメイトに反映できないし、せっかくリハスタッフが入力したリハの実績もレセコンには飛ばず、一度プリントアウトしたものを再度医事課が手入力するという有様。エクセルファイルで作られている実施計画書もそのデータを後利用することや、検索することは現実には不可能な状態でサーバー内のフォルダーに各患者別に保存されていました。患者の統計を取るための患者リストはそれぞれの部署がそれぞれエクセルで別々の書式で作成し、それぞれのPCに保存しているため、同じ情報を何度も何度も入力する作業が行われていました。患者さんの基本情報も医事コンからの情報が得られないために、病院各部署でそれぞれが患者リストを作成し、紹介状や情報提供書にもその都度入力、MSWが聞いた質問を看護もリハもまたバラバラに患者さんにしてしまう、といった状態。
せっかく入力した情報の再利用さえままならない状況を改善するために、まずはファイルメーカーによる患者データベース作成から開始。ファイルメーカー7から使用可能となったリレーショナル・データベースの勉強をしながら、リハ実施計画書や看護のデータベース、ADL評価、嚥下評価、各種統計資料も全てファイルメーカー上で作成可能としましたが、ファイルメーカーでは電子カルテの要件を満たすことが困難という問題点がありました。