ワーキンググループ

前勤務先の電子カルテ導入では20以上のワーキンググループが作られました。処方、リハビリ、栄養、外来といったワーキンググループのメンバーとして会議を繰り返しておりました。電子カルテ導入でもっとも重要なことはその業務フローが大きく変化するということ。これまでは「カルテ」や「伝票」といった「紙」が情報伝達のキーとなっていましたが、これらを「電子的な信号」にすべて置き換えることはなかなか難しいものがあります。例えば、レントゲンと採血と心電図の指示が出た外来患者さんがいたとすると、それぞれの指示は各部門にすぐに伝わりますが、その3つに同時に患者さんが来ることはできません。その患者さんがどこにいるのかを識別するのにはやはり「紙」をプリントアウトして患者さんに「オリエンテーリング」の様に持って歩いてもらってチェックしていくような方法を用意する必要があります。採血してそのまま帰っても良いのか、それとも至急検査で結果を見るためにもう一度診察室に戻るのか、入院手続きはどうやって行い、病棟ではどうやって入室手続きを行うのか、処方の受付は何時まで、すぐに必要な薬はどうやって指示を伝達し、看護師さんに薬局まで薬をとってきてもらうのか、夜間や休日など薬剤師不在の時間帯はどうするか、などなど・・・電子カルテそのものよりもその運用を考えていくことのほうが大変。そういうことを考えるのがワーキンググループの重要な役割です。ここの手を抜くと悲惨なことになることも体験済みですが、このワーキンググループで細かいことにこだわり過ぎるとこれまた泥沼にハマり悲惨なことに。これから始まる当院の電子カルテ導入。どこまでこだわり、どのくらい手を抜くか。その匙加減があんがい大変です。