リハ医療の今後のことをいろいろ考えた2日間(その3)

いつも2年毎に中医協ウォッチャーとなり、診療報酬の変化をフォローしているわけですが、決してその場しのぎの新しい逃げ道を探すためにやってはいけないとここ数年実感しています。診療報酬改定の数字は突然2年毎に天から降ってくるわけでなく、長い論議の末に、前回までの改定の流れ、前回までの改定で起こった予想外の不具合への対応などが組み込まれてでてきます。(個別の点数について驚くことや、(こちら側にとって)予想外の制約や算定条件でびっくりすることはありますが。。。)
今回の改定ではなんといっても最大の影響を受けるのは急性期病院です。それもしっかりと急性期医療を行ってきた病院ではなく、急性期医療への取り組みが十分に行えていなかった病院が一番大きな影響を受けます。今回回復期リハ病棟の研修会だったので、急性期の話はほとんど省略してしまいましたが、回復期にとって今回の改定は、目の前に見えている回復期関連の点数による影響よりも、この急性期医療変革による影響のほうがずっと大きいと思います。これまで自分たちにとって患者さんを紹介してくれる川上側の病院だったはずのところが、突然回復期を開設したり、地域包括ケア病棟を開設すれば、それはそのまま自分たちにとってのコンペティターに変身してしまうということを意味します。さらに長いスパンで見れば自分たちの存在する診療圏にどれだけの患者数が存在するのか、そしてこれからどうなっていくのか、という視点が求められます。
急性期を退場せざるを得ない病院はその全部または一部の病床を地域包括ケア病棟か、回復期リハ病棟へ転換すると予想しています。どの時期にどこでどのような波が起こり、どのように押し寄せてくるのか、まったく見えませんが、この影響を軽視することはできません。