論文の不正、偽造、盗用問題

 まさに天国から地獄、日本最大級のジェットコースターでほとんど重力加速度なみの落下を見せつけてくれた感じの「STAP騒動」です。昨日は理化学研究所の言い訳会見を4時間かけて全部見てしまいました。今回の論文に関する事象を「些細なこと」というふうに語っている人がTVでももっともらしくコメントしていましたが、例えば小説家が冒頭の20ページを他人が書いた文章をそのまま丸写ししていることをOKというでしょうか?まあどこかでなにかが流行したらそれのパクリ番組を作ることへの抵抗感がない業界に生きているとそういう風になるのかもね。。。とか思ったり。
 日本は資源もなく、人件費が高い分、これからは科学技術や知財によって国を成り立たせなければならないというのがコンセンサスになっていると思っていました。中国の遊園地にどこかのネズミのキャラクタとかサンリオみたいなネコとか、ドラえもんの成れの果てみたいな着ぐるみがいるのを批判したニュースを流していたことがあったと記憶しています。某割烹着のお姉さんを擁護するということはこの中国のパッチもんもOKということでしょうし、アヤシイ偽ブランド品だってOKということなんでしょうか。STAP細胞の存在が否定されたわけではないとかいう論理で言えば、偽ブランドのバッグだってモノが入ることを否定された訳ではないんだから、というふうにも言えます。更に言えば、これだけ杜撰なデータの上に成り立っている実験では、STAPの存在が証明されていないというべきでしょう。
カンニングをするとその年の単位は全てアウトになります。他の科目ではカンニングしていたことは証明されていないんだから単位を出すべきだと主張しているようなコメンテーターさんたち、きっと自分たちの仕事におけるオリジナリティに関する感性はこんなもんなんでしょうか。それを科学の世界の尺度に当てはめるのは止めて欲しいものです。それは科学技術立国という言葉の反対側にあるのです。