急性期病棟のADL 維持向上等体制加算をとる病棟はあるのか?

今回の改定では、急性期でのリハの充実がうたわれています。
その目玉?として導入されたのが、
ADL 維持向上等体制加算 25 点(1日につき、14 日を限度)
です。
施設基準は、
1 当該病棟に専従の理学療法士作業療法士又は言語聴覚士を1名以上の常勤配置を行うこと
2 当該保険医療機関において、リハビリテーション医療に関する3年以上の臨床経験及びリハビリテーション医療に係る研修を修了した常勤医師が1名以上勤務していること
3 当該病棟の直近1年間の新規入院患者のうち、65歳以上の患者が8割以上、又は循環器系の疾患、新生物、消化器系、運動器系または呼吸器系の疾患の患者が6割以上であること
4 アウトカム評価として、以下のいずれも満たすこと。
ア) 直近1年間において、当該病棟を退院した患者のうち、入院時よりも退院時にADLの低下した者の割合が3%未満であること。
イ) 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡を保有している入院 患者の割合が 1.5%未満であること。

急性期にセラピストを専従で配置するという考え方は良い方向ですし、ムダな病名をつけずにADLの悪化予防という目的でリハスタッフが仕事できるという方向性は間違っていないと思いますが、大きな落とし穴として、

※ 当該加算を算定している患者について、疾患別リハビリテーション等を算定できない。
という恐るべき注釈がついていました。
仮に50床の病棟とします。体制加算ということなので、14日以内の入院患者さんがその対象となると判断します。その日に入院中の患者さんのうち、14日以内の患者さんが8割とすると40人、1ヶ月の売上は、25点X40人X30日=30000点となります。一人のセラピストの1ヶ月の売上は1日18単位で20日仕事をすると仮定し、1単位が少なめに見積もって180点(呼吸器リハ、運動器リハの点数)程としても、180X18X20=64800点。実際には脳血管リハや心大血管リハはもっと高い点数ですし、急性期であれば、早期加算のつく割合も高いので、これよりも高い診療報酬となっているはず。ということは、この加算の算定するとセラピスト一人あたりの売上が半分以下になってしまう計算になります。こんな加算をとる病院ってあるんでしょうか?それともこの加算を算定しながら、このセラピストが疾患別リハの点数をとる方法があるの????
なんかよくわからない点数です。