いよいよ始まる中医協の論議

年もあけ、中医協論議も具体的な項目に関するものが徐々に明らかになりつつあります。
今日の中医協総会の資料から、
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000034656.pdf
平成26年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)

です。
どういったあたりが新たな改定のポイントとなるかが示されています。
リハビリテーション関連から。。。
重点課題1 医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等として、病院機能分化がうたわれています。
そのうちの
【1-1-3 急性期後・回復期(亜急性期入院医療管理料等)の病床の充実と 機能に応じた評価について】がリハビリテーション関連が主体となる、亜急性期の見直しと回復期リハ病棟関連。

(1) 急性期後・回復期を担う病床を充実させるため、現在の亜急性期入院医療 管理料について、1一定の重症度・看護必要度基準を満たす患者の診療実績、 2在宅療養支援病院、二次救急病院又は救急告示病院等であること、3在宅 復帰率の実績、4診療内容に関するデータの提出等の施設基準を設定した上 で、評価体系全般の見直しを行う。
亜急性期については、今回は名前だけは従来通りだけれど、システムは作り直しのような病棟になりそうです。この新基準が亜急性期を志向する医療機関、急性期からの移行を余儀なくさせられる医療機関にとってメリットがあるように見えるのかどうなのか。。。今後の詳細な内容により、増加するかどうかが変わってきそうです。

(2) 回復期リハビリテーション病棟について、患者の早期の機能回復、早期退 院を一層推進するため、以下のような見直しを行う。
1 回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟において、専従医師及び専従社会福祉士を配置した場合の評価を新設する。
2 回復期リハビリテーション病棟入院料1の休日リハビリテーション提供体制加算について、休日も充実したリハビリテーションを提供する観点から、入院料に包括して評価を行う。
3 回復期リハビリテーション病棟入院料1について、重症度・看護必要度の項目等の見直しを踏まえて、評価のあり方を見直す。
4 患者に適したリハビリテーションを実施するため、患者の自宅等を訪問し、退院後の住環境等を踏まえた上で、リハビリテーション総合実施計画を作成した場合の評価を新設する。

回復期リハに関しては、今回の見直しは回復期リハ1を取っている病棟のみに影響がでてきそうな感じでしょうか。久しぶりに戻ってくる医師の専従配置(6年ぶり?)、前回の専任配置から一歩踏み込んだ、社会福祉士の専従に対する加算ができそうな一方で、休日リハ加算は入院料に包括予定(現在1の基準を算定していて、休日リハ未実施のところは2,3割程度)なので、一部の病棟ではこれに対する対応が求められそうです。点数は今の休日加算から引き下げられるのか否か。(今まで包括されるとたいてい加算となっていた頃より点数が下がることが多かった印象があります)
重症度・看護必要度の項目の見直しはこれまでの中医協では、回復期についてどうするのかという論議がされていなくて、少々心配していた部分でしたが、ここに来て、項目として上がってきたのでホッとしています。回復期リハに入る重症度として適切な評価になると良いのですが。
最後の退院前訪問については、総合実施計画書への加算という形で入ってきたのが興味深いです。従来から重要性をアピールしてきていたものの一つなので、他病棟に認められている退院前訪問指導と比べ、たとえその点数が低くても素直に喜んでみようかと思います。

重点課題1-4 医療機関相互の連携や医療・介護の連携の評価について では、
(4) 要介護被保険者等に対する維持期の運動器、脳血管疾患等リハビリテーシ ョンについて、医療と介護の役割分担の観点から、以下のような見直しを行 う。
1 要介護被保険者等に対する維持期の運動器、脳血管疾患等リハビリテー
ションについては、介護サービスにおけるリハビリテーションへのさらな る移行を推進する必要があることから、評価の適正化を行った上で、経過 措置を原則として次回改定までに限り延長する。なお、次回改定時におい ても、介護サービスにおけるリハビリテーションの充実状況等を引き続き 確認する。
2 維持期の運動器、脳血管疾患等リハビリテーションを受けている入院患 者以外の要介護被保険者等について、医療保険から介護保険への移行を促 進させるため、居宅介護支援事業所の介護支援専門員等との連携により、 医療保険から介護保険リハビリテーションに移行した場合の評価を行う。

原則廃止となっていた要介護者への維持期リハは、あくまで暫定で2年間延期ということですが、介護保険の短時間型通所への移行の促進を図る目的で「評価の適正化」=診療報酬のカットがさらに行われるということです。上手く移行が進むか否か。

I-5 リハビリテーションの推進について、では、
(1) リハビリテーションの早期からの実施による入院中の ADL 低下の防止や、 リハビリテーションを提供している患者の入院から外来への円滑な移行を 推進するため、以下のような見直しを行う。
I-5 リハビリテーションの推進について
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1 急性期病棟に入院している患者について、ADL の低下が一部にみられる ことから、病棟におけるリハビリテーションスタッフの配置等についての 評価を新設する。
2 疾患別リハビリテーションの初期加算等について、外来への早期移行を 推進する観点から、一部の疾患について評価のあり方を見直す。
3 運動器リハビリテーション料Iについて、外来への早期移行を推進する 観点から、評価のあり方について見直しを行う。

という早期リハを中心とした拡充策と、
(2) 廃用症候群に対するリハビリテーションにおける対象患者の明確化や評 価の適正化等を含め、疾患別リハビリテーション等の適切な評価を行うため に必要な見直しを検討する。
ここのところ、批判の強かった「廃用症候群」への締め付けが明確に挙げられています。対象患者の絞込みと、「適正化」の両面からやってくるということです。

I-8 手術等の医療技術の適切な評価の中に、新聞記事にもなっていた胃ろう関連の項目が挙げられていました
(4) 胃瘻造設術の評価を見直すとともに、胃瘻造設時の適切な嚥下機能検査 に係る評価の新設、高い割合で経口摂取可能な状態に回復させている場合 の摂食機能療法の評価の充実等を行う。

細かい詳細はこれからの論議の中で明らかになっていきますが、基本的にはここに挙げられていることが改定の中身となっていきます。(挙げられていない項目は変更がないとも言える)出てくる情報を見ながら、準備は怠らぬように。。。