医療政策を語る上で、都道府県は果たして適切な単位なのか。

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/41060.html
原医政局長、高度急性期は各県1か所めど- 看護師25年まで200万人規模に というキャリアブレインのニュース。

このニュースで注目すべきは、今後整備しようと思っている「高度急性期」病院の数。当初4,5万でよいと思っていた7:1看護の病床があっという間に増えて30万をはるかにこえて増えたようなことが起こらないようにしたいのでしょう。
しかし、この局長さんが主張する各県一つという整備方法は果たして妥当なのでしょうか?全国47都道府県、とてつもなく広い北海道もひとつ、人口1000万を超える東京もひとつ、わずか人口58万の鳥取や70万の島根もひとつというのが本当に正しいのでしょうか。我が地元でもあるこの山陰2県の人口よりも多い市や区はいくらでもあります。もしも鳥取に一つというのであれば、人口だけから考えると船橋市や八王子にも一つという計算になるのですが。
東京が必要とする高度急性期医療がどれくらいなのかはわかりませんが、どう考えても東京都全体の高度急性期医療をたった一つの医療機関が担うという絵は考えにくいです。2次医療圏にひとつは必要ないという主張には同意できますが、逆に医療を行う上でその大きさに差がありすぎる都道府県という単位を持ってくるのはけっして適切だとは思えません。
そして、かれの主張どおりだとすると全国に作られる高度急性期病院は47ということになります。2025年のシナリオとして厚労省の書いた絵にある高度急性期病院の病床数は18万というふうに予想していますから、1病院あたりの平均病床数はなんと4000人近い病院ということになります。我が島根、鳥取にはそんな馬鹿でかい高度急性期病院は必要ないです。下手すると鳥取にある病院全部のベッド数と変わらなかったりするかも。。。
逆に病院ごとのベッド数を各都道府県の現在の人口で分配して割り振ったとすると、全国の約10分の1は東京都に住んでいますから東京に整備される高度急性期病院は病床数1万8千人という病院を作ることになりますが、ほんとにこの局長さん、そういうことを考えておられるんでしょうか?机上の空論こそが、厚労省の一番得意な分野だと思っていたのですが、、、、