昨日の中医協 まだまだ不透明な亜急性期

2番めは亜急性期病床。
病院機能分化させていく上で、今その存在について明確な姿を描くことができていないのがこの亜急性期。現在1万7千床あまりの病床数ですが、ポストアキュートという意味では同じようなポジションにある回復期リハビリ病棟に比べると、その立ち位置が明確化されていません。実際には整形外科系の術後のリハビリ目的のベッドとして使用されることが多くなっているのが実情でしょう。この会議の話し合いの前提となっている厚労省が提示している資料には???というところが山盛り。
 一例を上げると、多くの病院がこの亜急性期で救急患者を受け入れているという話。救急患者の受け入れといった用途でこの病棟を活用している例は寡聞にして知りません。実施されたアンケートの項目がかなり曖昧でしたので、回答した病院によって、病院全体としての救急受け入れの話と解釈したところや亜急性期病床単独での患者受入の話と解釈したところが混在していそうです。
現時点では、亜急性は病室単位での算定で、急性期病棟のうちの1,2室が亜急性期病床となっています。この病棟に救急患者の受け入れが必要になった時、わざわざ、薬剤費も検査もその費用を算定できない(包括されているので)病室に患者を入院させるバカがいるでしょうか?隣には同じ医療行為を行えば、ずっと高額の診療報酬を請求できる病室があるというのに。。。

亜急性期の機能として
1急性期病床からの患者の受け入れ、
2在宅等にいる患者の緊急時の受け入れ、
3在宅への復帰支援
の3つの機能が重要であるとされていますが、この2の機能を発揮させるという意味で、亜急性期の要件に2次救急指定を受けているか否か、や在宅療養支援病院の届け出などの項目が追加されているという話が、キャリアブレインのニュース記事、
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40560.html
に掲載されていましたが、まだ紆余曲折が有りそうです。

この亜急性期には、ポストアキュートという急性期治療後の患者を受け入れる病床としてのイメージで語っている人、在宅療養患者や施設入所患者が体調を崩した時のバックアップとしての在宅医療支援という意味でアピールする人、急性期治療が長引いて長期化してしまう患者の受け入れのため(いわゆるLTAC)として主張する人などそれぞれの思惑の中で語られているので、そう簡単には纏まりそうにありません。ただ、前のエントリーで書いた急性期病床への締め付けの結果として、この分野に流れ込んでくる病院が出てくることを厚労省は期待しているようですが、その前にこの締め付けの効果で、十分な移行医療機関が出てくる前に病床からの追い出される患者さんが出てくる可能性が高そうです。

亜急性期病床が病床単位でなく、病棟単位で算定可能となり、この分野のさらなる拡大を図ろうとしているということは間違いないようですが、急性期を捨てて、こちらにこようと病院経営者に思わせるような方策が図られるかどうかも注目しておくべきポイントでしょう。拡大していくと言いながら、前回改定ではかなりの締め付けがあったせいで、亜急性期のベッド数は伸び悩みどころか減少に転じていたので・・・