今日の中医協資料

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000036hdq-att/2r98520000036hhj.pdf
今日は中医協の入院医療等の調査・評価分科会。今回の話題は7:1と亜急性。
想定以上に増加した7:1看護の病床から、真の急性期病院以外は退場して行くように促す(というか追い出すというか)ことを想定しているようです。
平均在院日数からみたものとして
1.短期滞在手術患者を平均在院日数対象から外す
2.特定除外制度の廃止を13:1、15:1から拡大する
1.についての一つの論拠として、「小規模で、かつ短期間で退院可能な手術や検査など、特定の医療行為を多く実施しているような病院が7対1の看護配置基準にふさわしいものなのか?」というそもそも7:1病院とは、という厚労省が想定している病院像が高度救急医療を行うような病院ということで、それをはみ出すものを排除する意図が見えてきそうです。
2.についても発想は同様。急性期を診るべき病床にもかかわらず、資料の50ページ目をみると入院患者の9割以上が90日以上入院の患者で占められているというある意味療養病床以上の病院まで存在しているようですから、こういった方向性は十分考えられそうです。
この部分のまとめとしては、

7対1・10対1入院基本料を算定している医療機関においても、90日を超えて入院している患者が見られる。
特定除外制度の廃止にあたっては、受け皿の充実が必要である。
なお、特定除外に該当する患者について平均在院日数の対象とした場合の影響は、7対1一般入院基本料の場合、約1.5日の増加(+7.1%)となる。

続く論点は看護必要度へ。今年の調査で急性期病床である7:1より、療養病床の方が看護必要度が 高いという彼らにとっては決して好ましくない結果が出たわけですが、これに対する解決法がある意味強烈。急性期病床に比べて療養病床が高くなった項目を削除したり、変更したりして、急性期のほうが高くなるように評価方法を変更するという荒技です。
そもそも看護必要度が看護師のタイムスタディの結果から作られた、病棟に必要な看護師配置数を出すための数字だったはずですが。。。本来の役割とは違う目的で作られた尺度を利用したことによる矛盾がこういった部分に出てきたということでしょう。
具体的には時間尿量と喀痰吸引、褥瘡処置や血圧測定と言ったあたりが項目から除外されそうな情勢でしょうか。また逆に10分以上の指導とか、意思決定支援などの追加も考えられているようですから、今後も注視していく必要があります。

その他の項目としては、
○ 例えば、年間手術実施件数や全身麻酔手術件数等の診療実績を要件にすることについてどのように考えるか。
○ 現在の7対1入院基本料を算定している医療機関の在宅復帰率を踏まえ、自宅及び亜急性期・回復期病棟へ退院又は転棟した患者の割合を要件にすることについてどのように考えるか。
○ 急性期入院医療を担う医療機関の機能や役割を適切に分析・評価するため、DPCデータの提出を要件にすることについてどのように考えるか。
○ 高齢者の急性期病院への入院が増える中、入院中のADL低下や褥瘡の発生等を防ぐため、急性期病棟における早期からのリハビリテーション等を要件にすることについてどのように考えるか。

と言ったものが提案されています。
リハビリやさんとしては、最後の早期リハを国が推進するための方策としてこれまでの飴玉方式(急性期リハ加算)から、ムチ方式(やらないと7:1が算定できない)ヘ、変更するというところが注目に値するモノだと思っています。ただし、この早期リハをどれくらい行っていたら要件を満たすとするのか、その定義付けがキチンとできるのかについても見なければならないでしょう。脳血管リハ1の施設基準をクリアしていたとしても500床の病院に10人のリハスタッフでは、まともなリハをしているとは到底思えませんし。

亜急性についても、
○ 今後、拡充が必要な亜急性期病床について、現状の病室単位ではなく病棟単位の評価 とすることについてどのように考えるか。
○ 例えば、病床の種別にかかわらず、人員配置、重症度・看護必要度、在宅復帰率、二次 救急病院の指定、在宅療養支援病院の届出のような亜急性期病床に期待される機能に関 する要件を設定した上で、評価を充実させることについてどのように考えるか。

などが論点として提示されています。これまでの曖昧な位置付けだった亜急性に明確な役割を負わせた上で、病床単位から病棟単位ヘと移行させようということのようです。亜急性の変動はそのお隣さんとも言える回復期リハ病棟にも少なくない影響があることは意識せざるを得ません。この亜急性に厳しい基準となった急性期では生き残れなくなる病棟が移行してくることを想定しているや否や。。。

今月末から来月の頭には取りまとめが出てくるようです。これからも目が離せない日々が続きます。