BMJの糖質制限のペーパーを読んできた。

読売新聞の記事、http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120707-OYT1T00554.htm
「低炭水化物ダイエットご用心…発症リスク高まる」で、今自分で実践中の糖質制限食に関するネガティブなペーパーですので、そのまま放っておくのもイマイチといえます。こういった新聞記事のダメなところはそのソースへのリンクが貼られていないこと。何のためにインターネットで報道しているのか、なんていう文句はこういう紙重視の人たちにはわからないのでしょう。
ということでネット上を探し、BMJのペーパーを見つけてきました。
Low carbohydrate-high protein diet and incidence of cardiovascular diseases in Swedish women: prospective cohort study

http://www.bmj.com/content/344/bmj.e4026
論文を全文参照可能なところが素晴らしいですが、このペーパーの内容、いろんな意味でツッコミどころは満載でした。
1.食事内容はアンケートで答えた食材から算出。しかも10年以上の観察期間のスタディなのに調査は最初の1回のみ。
2.血液中のコレステロール、塩分摂取量などの他の危険因子が考慮されていない。
3.はるかに高い危険因子としてこのスタディでも示されている肥満について、各群を比較するために年齢や喫煙などと同じように揃えられていますが、減量効果の高いことがこれまでにも多くの論文で示されている糖質制限を行っても肥満という人は、そうでない他の群よりもハイリスクな人が集まるというバイアスがかかる恐れがある。
4.従来の研究で指摘されている動物性タンパク質と植物性タンパク質によるリスクの差が考慮されていない。

などなど。

一人の人間として考えると、この研究でもハイリスクであることが示されている(それもリスクの上昇が一桁上)の肥満や高血圧に対して有利に働く糖質制限の効果をきちんと評価することがこの研究のデザインではムリだということがきちんと原文にあたるとよくわかる、というお話でした。

しかし、久しぶりに英文のペーパーを読みました。