褥瘡

今回の診療報酬改定で回復期リハの上位基準を取るためにはいわゆる「重症」をとる必要があります。この「重症」か否かの基準は、厚労省お得意の「看護必要度」で決定されます。今回新規導入されたのは、入院時にこのうちのA項目1点以上が15%以上というもの。この基準が本当に「重症」か否かを表しているのかにはいろんな論議がありますが、そう決定してしまったものには、対応していく必要があります。
その項目の中には回復期リハに来るべき患者とは無縁のものがいろいろ含まれています(点滴ルート同時に3本以上とか、シリンジポンプ使用とか。入院当日に輸血や血液製剤投与なんてやったら、回復期リハの入院費は全部吹っ飛んじゃいます(全部包括だし)し。)ので、実質評価するポイントは、創傷処置と呼吸ケアくらい。
この創傷処置の必殺技として、「頚部骨折の患者さんの抜糸を一本だけ残しておいてもらって転院後に最後の一本を抜糸するのはOKだろうか」なんていう質問をされてしまいました。僕は厚労省の人間じゃないんですが・・・
まあ、こんな馬鹿げたものは別として、褥瘡処置のある患者さんはこのA項目1点となります。けれど、その褥瘡は前の病院の入院中に作られたもの。医師も看護師配置もずっと多い急性期の病院からやってくる「褥瘡あり」患者さんって、逆の意味で問題がある気も。
さらにはその褥瘡に未だに「ゲンタシン軟膏」を塗りたくって、ガーゼを当てているのを見ると目眩がしてきます。この人達(医者も看護師も)は、「勉強する」という言葉の意味を知っているのか・・・なんてことを2ヶ月連続でやってきた黒色壊死をともなう踵の褥瘡の患者さんを見ながら思う今日この頃。うちの病院のA項目1点以上患者を増やすためにわざわざ褥瘡にしているというわけでも無いはずですが・・・