今日も中医協ウォッチャー

12月7日の中医協は、医師の負担軽減、チーム医療、そしてリハビリテーション関連が話し合われることに。朝礼をしながらiPhone厚労省のHPを覗くとすでに8時半過ぎには今日の中医協の資料がアップされていたので、早速ダウンロードして中身をチェック。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001wydo-att/2r9852000001wyhs.pdf
一番気になるのは当然リハビリテーション関連です。
項目として上がっているのは
1.回復期リハビリ
2.早期リハビリテーション加算
3.外来リハビリの医師診察
4.維持期リハビリの介護保険シフト
といったあたり。
1.今後の方向性として、回復期リハビリテーション病棟については、「より充実した体制で医学的処置の必要のある者や、より重症な者を受け入れ、状態改善や在宅復帰を十分行っている場合の評価について検討してはどうか。」との記載が。そこまでの参考資料として掲げられているものを見ると、看護・介護スタッフ、リハ提供量の充実している病棟がより重症な症例を受け入れ、在宅復帰率も高いというように誘導したい感じなので、現在より人的配置の厚い新基準を考えているようです。リハ関連4団体が要望で出しているのは「専従医1名、看護13:1、介護20:1、PT3名、OT2名、ST1名、MSW1名」ですから、このあたりを落とし所にしてくる可能性は十分にあります。さらに専従医は「リハ医学会専門医または臨床認定医」という基準まで提案されていますが、この学会認定の資格をどこまで点数に入れてくるかは不明でしょうか。
また項目に「医学的処置」という項目が入っていますので、現在の日常生活機能評価(看護必要度B項目)だけでなく、A項目にあたるものがこの基準に盛り込まれている可能性は十分にありそうです。(看護必要度A項目、あるいはここに記載されている各種医療処置の有無)
さらに、参考資料の途中で、「日常生活機能評価の平均値」というようなことを指摘(赤字で記載)もありますので、これも基準の1つとして盛り込まれてくる可能性は十分に有りそうです。

2.早期リハビリは14日以内とそれ以降の2つに分けられる(14日以内を高く、それ以降を低く改定)ようです。
3.外来リハビリは、月に1回の診察でOKという緩和がなされる雰囲気で、外来での維持期リハビリ継続に追い風・・・と思ったのですが、
4.の項目を見ていくと、資料の途中には「介護サービスに よる受け皿作りが困難な心大血管疾患・呼吸器リハビリテーションは引き続き評価を行いつつ、脳血管疾患等・運動器リハビリテーションについては、維持期としてふさわしい評価とし、診療報酬改定毎に介護保険におけるリハビリテーションの充実状況を踏まえながら縮小を検討していく。」とあり、今後の方向性として、「急性期、回復期リハビリテーションは主に医療保険、維持期リハビリテーションは主に介護保険、という医療と介護の役割分担を勘案し、維持期の脳血管疾患等リハビリテーション、 運動器リハビリテーションについては、医療から介護へ円滑な移行を促進する措置を講じ ながら、維持期にふさわしい評価とするとともに、要介護等認定者に対するこれらは原則次 回改定までとするが、次回改定時に介護サービスの充実状況等を確認することとしてはどうか。」という形でまとめられていますので、これを勘案すると、1−2時間型通所リハビリ(今回、1日に40分のリハ実施が可能となるなど外来からの移行を思いっきり意識した改定が行われている)への誘導をかけつつ、逆に180日の期限超の脳血管リハ、運動器リハは「維持期にふさわしい評価」という名前の引き下げが検討されているということでしょう。
現在外来リハビリでみているのは、40歳未満の脳神経系疾患と、65歳未満の介護保険特定疾病外というの介護保険対象外の人なのですが、これらの人々のリハビリが受けられなくなることを大変恐れています。