練馬の光が丘関連雑感

日大が撤退して地域医療振興協会が入ることになった光が丘病院。400床クラスの大学病院の後を引き継いで「それまでと変わらない水準の医療を・・・」ということを条件に公募で選ばれたはずだったのですが、東京新聞によるとなかなか強烈なやり方をこの協会の理事長が言い出しているようです。
以下、引用。


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011120790071343.htmlより。
342床日大撤退の光が丘病院 「4月移行時は50床に」
2011年12月7日 07時14分

 日本大学医学部付属練馬光が丘病院(東京都練馬区)の運営を来年四月から引き継ぐ公益社団法人地域医療振興協会」の吉新(よしあら)通康理事長が、本紙の取材に、新規オープンの際には入院患者数を大幅に減らし、稼働病床数を縮小する考えを示した。患者の行き先などをめぐり混乱が生じる恐れも出てきた。

 病院は十七科、三百四十二床。区の医療の中核を担い、特に小児救急は区内の約三分の一の患者を受け入れ、隣接区や埼玉県西南部からの搬送も多い。

 日大は三月末の撤退と同時に医師を全員、病院から引き揚げる方針。区は、協会が現在と同じ病床数、診療科目、医療水準を提供できると患者や住民らに説明してきた。

 これに対し、吉新理事長は「病床が埋まった状態で主治医も看護師もいなくなったら事故が起きる。医療安全上、あり得ない」と話した。三百四十二床の許可は取るが、実際の稼働は「五分の一、十分の一だろう。最初五十床ぐらいで、月ごとに増やしていくだろう」と見通した。

 救急も、最初から今のレベルで受け入れるのは「無理かもしれない」として「周辺のいろんな病院にお願いして可能な限りやるしかない」と述べた。

引用終了。

 できないなら、最初からできないと言えば良いのにねえ・・・実際この協会が引き受けている首都圏の大きな病院の状況を見ていると今回のことは読み取れたかもしれません。344床の許可病床のある浦安市川医療センターの実働ベッドはわずかに48床、新病院が開始する来年4月(光が丘と同じ・・・)でも133床とのこと。昨年から管理者となっている482床の横須賀市立病院は262床で動いています。
現有の病院でもまったく人が足りなくて全病床がオープンできないというのに、いわんや新病院おや。というところでしょう。そもそも地域医療振興協会の先生方が最も得意としておられるのは「総合診療」で、この都会の「大学病院」で求められている医療とは路線が違っている気が・・・