人件費は本当に「悪」なのか

いろんなところで病院経営が行き詰まり、経営破綻する公的な病院がでるまでになっています。こういった公的病院などで経営が問題になると「人件費が高すぎる」みたいな論議になります。たしかに病院というところは構造的に国家資格を持った各種専門職を雇用することが必須ですから、人件費比率は高くならざるを得ません。そういう中で、「人件費を減らせ」みたいな圧力が高まりやすいのは事実です。しかしこれらの病院で「医師が余ってつぶれた病院、看護師が余ってつぶれた病院」というのは聞いたことがなかったりします。たいていは「医師不足、看護師不足」が引き金となって経営が傾いていきます。他の業種で赤字になると最初に行われるのがいわゆる「首切り」なのとは対照的かもしれません。

もちろん看護師より給与の高い「准看護師」とか、理学療法士より給料の良い「リハビリ助手」がいるというところはなんとかしないとマズイとは思いますが、病院として一定の水準を維持するために一番投資するべき所は「人」なんじゃないかと。日本という国全体を見ても、一番投資するべきなのは人材育成、技術育成。人を育てないと・・・