アイデアがあさってのほうを向いている 最終編

一番気になるものを忘れていました。
島根県には自治医大卒の先生方がおられます。自治医大ができて来年で40周年ですから、すでに70人近い卒業生が医師として働いておられる筈です。しかし、この半数近くが島根の地を離れてしまっている(全国平均の定着率を大きく下回っている)状態です。今回の政策提言なるものにはこれらの先生方についてどうしていくのかという考えがまったく示されていません。島根県が県費で養成し、地域医療のスペシャリストとして活躍されているDrの筈ですが、それらの医師をきちんと処遇してこなかったという県の医療体制責任者の怠慢がそこにはあるはず。
それらの医師をどうして上手く地元に定着させることが出来なかったのか、という問題に答えを出せていない今の状況では、これから量産される「奨学金医学生の行く末も心配です。

今回のこの「政策提案」なるものを読んで、高3の時受験した自治医大の入試の個人面接で僕が自治医大と併願で京都大学を受験するということについて「本当は地元に残る気なんてないんだろう」みたいな無礼な事を言ったヤツがいました。(そのひとが健康保健部長だったはず)それに対して「(トップが)そんなことを言っているようでは島根の医療は絶対に良くならない!!」と面接官に文句を言ったのを思い出しました。(当然?、不合格)
どちらに人を見る目があったかはわかりませんが、あれから27年、少なくとも島根の医療について僕の言ったことの方が正しかったようですが、残念ながら医療行政においてその思考回路は田舎のDNAとして脈々と受け継がれているようです。
もっとも彼が僕を不合格にしてくれたおかげで、京都に行くことができ、そこで多くの友人を得、経験を積み、現在の自分を作り上げることが出来、さらにこの間は同窓会で舞妓さんにまで会わせてもらったということもできるかもしれません。そういう意味ではもっと感謝しないといけないかも。