島根県の公立病院の決算数字が出ていました。

いつになったら公表されるのかと思っていましたが、ひと月も前にひっそりと県の広報資料の「平成21年度市町村地方公営企業決算の概要」の中に全体の数字と概要のみでしたが、記載されていました。
http://www3.pref.shimane.jp/houdou/files/D5761424-C118-4090-9691-598017FFFB70.pdf
http://www3.pref.shimane.jp/houdou/files/A8963CEE-7CD4-4E8C-B96A-AD6837429CC5.pdf

この概要から市立病院についてみていくと・・・

松江市立病院:医師・看護師確保のため職員給与費が増えたが、 DPC対象病院となったことなどから医業収益増となり、赤字幅縮小。
出雲市総合医療センター:医療スタッフが増え、職員給与費が増えたが、看護基準等の施設基準の上位取得を進め、赤字幅縮小。
大田市立病院:医師不足(H21中途退職及びH22.3末の一斉退職に向けた調整)が大きな要因となり、赤字幅拡大。
安来市立病院:H21.4の電子カルテ導入に向けて患者数を調整した影響が大きく、医業収益が下がり、赤字幅拡大。

ということで見ていくと・・・
松江市立病院
 おお、赤字が減ったんだ!!10億8800万から9億8500万に約1億の赤字圧縮とのことですが、この中で気になるのがこの損益の横にある繰入金の額。前年の10億2600万から11億4800万程に増額になっています。この差額1億2200万がこの赤字減の理由だったら・・・とか思ったんですが、この数字の見方は間違っているのでしょうか?
さらに致命的なのはこの概要のお粗末さ。H21年度は改革プラン最初の年ですから、昨年との比較ではなく、改革プランの達成状況で見なければなんの意味もありません。松江市立病院の改革プランではH21には96億8900万の収益、101億5700万の費用で、4億6800万の赤字ということになっていますから、初年度からいきなり5億以上の計算違いとなっています。これは現場に問題があるのか、それともプランが悪いのか。
出雲医療センター
 プランでは23億3500万の収益の予定が22億300万と1億3000万以上も少なく、経常損益は3億3900万の赤字の予定が3億9800万となっています。
大田市立病院
 もうコメント不要。プランの根本から間違っているとしか言いようがないでしょう。今年度はさらにひどいことになることが新聞報道されています。
安来市立病院 
 プランで行くと30億7000万の収益と31億1800万の費用で4800万まで赤字が圧縮されることになっていましたが、収益が28億4100万、費用が29億6100万で赤字が逆に1億2000万まで拡大してしまっています。

さて、島根県市町村課はこの「決算が出てから各自治体と協議していく」そうですが、この「平成21年度市町村地方公営企業決算の概要」でこの事に関する記載がまったくなされていないことからみてもあまり期待できないのでしょうか・・・