医療費亡国論の亡霊

 みたいなものが「財務省」という1円のお金も稼いでいない役所からでてきているようです。20数年前に出てきたこの金勘定しか能のない人々の妄言のせいで日本の国の医療は崩壊しました。あの時医師の定員削減などというバカなことをしていなければ、今医師が足りないという悲惨なことはおこりませんでした。しかしこういう政策決定をした人の誰一人としてこの責任をとりません。おそらく山ほどの退職金と天下り先を用意してもらったのでしょう。
 何より情けないのは、政権をとって「政治主導!!」なんて偉そうなことを言っていた人たちがころっと意見を変え、「医療費圧縮しないと社会がつぶれる」みたいなばかげたことを言い出したこと。20年間医師の定員を削減したつけをなんとかするために、これを1.5倍に増やすなんてことを言っていますが、これまでの水準では医師になれない人々を毎年数千人規模で医師にし、そしてそれを強制的に僻地に送り込むって・・・・学徒動員で片道分の燃料のみを積み込んで戦地に送り込まれた特攻作戦を指揮したバカな日本軍とレベルが変わらないと思うのは僕だけではないはず。1.5倍に増やした定員分の医学生を誰が教育するのかという論議がまったくなされていないのは本当に致命的です。肝心の教育機関としての大学医学部には「黒字化しろ」というプレッシャーをかけていながら(つまりは「教育している暇があったら医者として金を稼げ!!」ということ)、On Job trainingとして研修医が診療を行うことは拒否し(いつでも、どこでも、安い医療費で専門医。ちょっとでも間違えば訴訟)、という国ではもうどうにもならないでしょう。