余っている診療科

 一応日本の医師は偏在しているのだそうです。(棒読みでお願いします。)地域的な偏在と診療科ごとの偏在があるのだそうです。
 じゃあ、地域的に医師が余っている所はどこ?って聞くと、都会のはずなのですが、昨今の医療崩壊のニュースで話題となる「たらいまわし」のほとんどは都会と言われるところで起こっています。この話の時にはけっして東京の医者が余っているというお話は出てきません。なんと言っても人口あたりの医師数が一番少ないのは埼玉で、話題の産科医数でいえば多いのは鳥取、島根だったりします。しかし、島根県の産科医数が足りていると思っている人は少なくとも島根にはいないですし、ましてや埼玉より島根が都会だと思っている人間もそうはいない筈。
 そこで、こういう話の都合が悪くなると出てくる話が、診療科ごとの偏在というヤツ。最近の若い子はきつい診療科を避けて楽な診療科に逃げているのだそうです。じゃあ、その楽な診療科って何?って聞くとでてくるのが「眼科」だったりします。本当に眼科が楽なのか、そんなに余っているのか知りません。少なくとも僕の前勤めていた病院の眼科は、ほんの2,3年前までは、6人くらいいた眼科医が1人に減ってしまっていました。今は3人くらいになっているけれど、若い先生方がいなくなったらまたどうにもならない状態に逆戻りです。
 眼科はまさにスペシャリストの世界で、他の医者では代わりが全然できないので、いなくなってしまうと本当に困ります。全然足りません。どこに余っているんでしょう?そしてもう一つやり玉に挙げられる「皮膚科」。こちらも常勤医がいない状態が続いています。本当に余っているんでしょうか?
 これが現場の実感なのですが、日本眼科医会のホームページにマスコミ報道への反論というのがありました。http://www.gankaikai.or.jp/info/img/20081217_gankai.pdf
 まあ、マスコミなんて言うものは、数字がわからないので「文系です。」なんて言っている人がなる職業なのでしょうがないといえばそれまでなのですが、こういう反論をされても意味がわからないんでしょうねえ。