明日は小児科医過労死裁判の控訴審判決

 明日は中原先生の過労自殺控訴審判決の日です。海外では「Karoshi」がそのまま単語になっているという話がありますが、(Oxford English Dictionaryに''death brought on by overwork or job-related exhaustion'' - a reflection of the strains imposed by Japan's strong work ethic.)という形で入っている(ラシイ)です。
 かつて僕が医者になったころ、国は過労死を労災として認めていなかったと記憶しています。ちょうどバブルがはじけ、リストラが激しくなっていた時期でした。3週連続でタクシーの運転手さんが心筋梗塞で救急搬送してこられ、救急車同乗で運んでいったのを思い出します。(そのせいでこっちも深夜までの時間外状態になりました)かなり無理な仕事をしていますねえ、といったら「先生もかなりひどいんじゃない」なんて言われてました(そのころ週のうち3,4日は病院に泊まっていました)。けれどそれはけっして自慢するべき事ではありません。一般道を時速100キロ以上で走り続けていたけど、たまたま死なずに生き残ってきたから、これからも100キロで走っても大丈夫と言っているのと変わりません。
 これまでやっていたから、他の人もやっているから、という理由でこの異常な労働環境が許容されることがないことを強く望みます。