癒着胎盤の大変さ

 天漢日乗さんのHPより。http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/08/411856152023_1007.html
臨床麻酔という雑誌に報告されている症例の記事です。こりゃすごいです。人間が次から次へとわき出てきています。逆に言うとこれくらいの人海戦術がとれるほどの所しか救命できないということですね。(検察側の主張する子宮摘出を行ったとしても、です。)しかし、PCPSを回しながらCHDF回して75分後に心拍再開ということはこの間心マをし続けたり、(なんと2人で・・・ACLS2005バージョンでは3分ごとに交代することになっています)あふれる血に対抗できるだけの輸液と輸血をポンピングし続けたりと頑張った研修医のDrたちにも拍手です。(随時手術経過などを説明できる医者を用意できるのも大学病院ならではでしょう。ちなみに地方の中小医大にはそんなに医者はいませんが・・・)

この症例報告の中で注目すべき点として、出血量があります。この量は大野事件のものと比べても大きな差はありません。この症例でもこの出血のために心停止がおこったと考えていたけれど実は高カリウム血症であった(それも12.9mEq/lなんていう信じられないような値)ということ。大量の輸血を行うとそのなかに含まれるカリウムのせいで高カリウムになったということなのかもしれません。

ちなみに事故調査委員会のモデル事業の報告症例には癒着胎盤で子宮全摘をしたけれど救命できなかった症例の報告が上がっています。
http://www.med-model.jp/kekka/jirei38.pdf
これも大学病院での症例・・・それでも救命できないのです・・・