視察4日目その3 リハビリ病棟へ

 このMetro Healthの7,8階にリハビリテーション病棟があります。アメリカにも急性期病院の一部に回復期に相当する病棟を持っている病院があるというのも興味深かったです。(昨日行ったアクロン総合病院は完全に急性期に特化していて回復期相当の部分は系列のエドウィン・ショーへ送っています)

8階は脳損傷ユニット。交通事故、銃による外傷などの脳損傷専門病棟だそうです。このユニットの他、脊髄損傷専門ユニット、脳卒中専門ユニットの計3つのユニット(病棟)があります。それぞれ病床数は17から22。昨日のエドウィンショーも1ユニットはだいたいこのくらいでした。
 高次脳機能障害などによる集中障害、問題行動などに対応するため、この病棟の出入り口はいつも閉まっています。訓練室も病棟内にちいさな専用の部屋があり、病棟内で全てが行われるようになっているとのこと。リハスタッフ、MSW、精神面のサポートの人なども全て病棟専従スタッフ

病室は2人部屋。特にスゴーイというものはなし。リハビリはハイテクばかりじゃないよ。と・・・急性期病院部分との施設の差は大きいですね。

どこにいってもこの歩行器。これがデファクトスタンダードなんですね。

脊髄損傷ユニットの掲示板。同じ境遇でここに入院していた人もこんな風に頑張っているよ!!みたいなことで入院患者を勇気づけるという意味もあるようです。脊髄損傷の人は痛みや精神的なものから薬物依存やアルコール依存となるひとが多く、これがまた転倒のリスクを高め再び障害を負うという悪循環になる人もあるため、精神面などのフォローが大変重要とのこと。脊髄損傷専門という特性をいかせるポイントともいえるのでしょう。


この2つは病棟内にある家をシミュレーションするためのスペース。外泊訓練とか、家族の人への介護指導を行えるようになっています。ソファもいろいろな高さ、クッションの柔らかいものなどがあり、そういうこともチェックできるそうです。
試験外泊も行われているそうです。日本みたいに住宅改修で入院期間を伸ばすことがありますか?と聞いたところ、そう言うことのないように気をつけているという返事。どうしても間に合わないときはスキルドナーシングホームに入所して待ったりすることもあるそうです。

ここの病院はこういうマシントレーニングが好きみたい。

アクティビティセンターというところが訓練室の近くに・・・

アクティビティセンターの中にある植物の温室。森林浴みたいな気持ちの良い部屋でした。

アートセラピーの部屋。アートセラピストは州が認めた正式な資格だそうです。修士課程まで出る必要がある(ということは大学院卒)そうです。「これはリハビリテーションの訓練時間には含まれますか?」と聞きましたが、答えはNo.お金にもならないということ。けれども治療上は大変重要で、他の訓練がどうしてもセラピストにやらされているという感じになりやすいのに対してこのアートセラピーは自分でやりたいことができるという意味でも重要だそうです。

図書室。リハビリ以外の入院患者さんも使用可能。ネットに接続したPCも何台か設置されていました。
この他にメイクやヘアカットの部屋、ビリヤードやエアホッケー、なんとWiiのつながった大型TVもありました。