後期高齢者医療制度の本質はこちらの方を望んでいるのでは?

読売新聞の記事「射水市民病院の延命中止、元外科部長を殺人容疑で書類送検へ」http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080510-OYT1T00095.htmより。
厚生労働省のお役人さんの批判に「医療費の多くが死ぬ直前の1週間で使われる」「無駄な延命治療が行われている」というものがありました。だとすれば、この外科部長先生は「先進的な医療」を行ったわけで厚生労働省的には褒めてあげないといけないのでは?
 今回の診療報酬改定の中でも許せないことの一つにこういうことがあります。本音は「後期高齢者=年寄り」には高額な医療をせず、いわゆる効率的な医療(今後役に立つ人間に医療資源を投入するほうが経済的にメリットが大きい)を行いたいということであり、「受けられる医療に差を付けます」ということであるにも関わらず、「これまでと同じ医療を受けられます」といけしゃあしゃあと言っていることです。
 もう「日本にはオカネがない(道路を造るオカネはあるけど)」「年寄りにカネを使う気はない」と言わないことで結局それらの矛盾点が末端の医療現場のひずみとして発現しているのです。そうであるにも関わらず、延命中止を行う医師を殺人容疑で書類送検してしまうのは大きな矛盾でしょう。
 「誰にでも自分の行きたい人生を生きる権利がある」という理想論と「使用できる医療資源には限りがある」という現実との折り合いをつけるのが「政治」であって、それを「現場」に押しつけるのは止めて欲しいですね。