拒食症は死に至る恐ろしい病なのです。

 読売新聞より。「大阪市などで救急搬送拒否、06年に拒食症の少女が死亡」http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080119i204.htmです。
まずは、残念ながらこの若さでなくなってしまった女の子に合掌。
 拒食症(神経性食思不振症)は、とっても死亡率の高い疾患です。死亡率20%とも言われています。別の新聞の記事によるとこれまでにもいくつかの病院にかかっていたけれど治療を拒否していたとのこと。こういった患者さんの全身はほんとに限界のところでギリギリのバランスをとっているとしか考えられないです。前の日まで普通に歩いていた(屋外まで)のに翌日は突然の心不全というのも見たことがあります。(主治医ではなかったけれど)500mlの点滴1本で肺水腫から呼吸困難というのを目の当たりにしたこともあり、その管理は簡単な病気ではありません。今回の死亡原因は「神経性食思不振症に合併した心不全」です。今回の救急搬送不能(あえて拒否とは言わない)は直接死因ではないでしょう。そういう危険な状態であっても本人が「拒否」している治療を行うことはできないのです。(無理にやっても恨まれますし。)