「情報システム」で救急現場は救われるのか?

 東京新聞の記事。「救急医療 『たらい回し』新法で対策 議員提出与党検討 情報システム整備」http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008011902080632.htmlです。
 「踊る大捜査線」の織田君のセリフじゃないけど「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」っていう気分。現在の詳細な受け入れ可能な情報をリアルタイムで現場の医療機関が入力するのにどれだけの労力が必要とされるのかが理解できていない人間が考えたナンセンスなシステムです。夜中に手術が受け入れな施設といっても、それは応援のスタッフを呼んで、というのが大半。(24時間、あるか分からない手術のためにずっとスタッフを準備して毎晩交代で夜勤させられる病院なんて少なくともぼくの知る範囲にはありません。)さらに夕方の時点で手術可能であったとしても、その後一人でも緊急手術を要する患者が現れれば、その瞬間に受け入れ不能な病院に変わります。全てについてこれは当てはまります。7:1看護に導入される看護必要度測定にしても、毎日その記録を書き、内容をチェックするのに貴重な看護のマンパワーを消費するのです。患者の看護を減らさなければ、これらの書類書きは時間外労働となります。高度医療を行っている負担にこれらのストレスが加わっている事例で先日大阪地裁で公務災害が認定されました。「看護師過労死、大阪地裁が「公務災害」認定の判決http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080116i418.htm?from=main4」なにかが間違っているという認識が無いのが問題です。
 日本の医療現場は、いわゆる「効率良くすればなんとかなるどこかに余裕のある医療体制」ではなく、あらゆる所が余裕なしのキチキチの経営、運用を行っているという認識が未だに政府与党にないのが悲しいです。こういった情報システムはすでに存在しているのが、うまく活用されていないという現実が全国にあります。その原因分析無く、またこういった部門にカネをばらまくのは、バックにメーカーが暗躍している?というのは考えすぎですかねえ・・・