地域包括ケア病棟 案外高いハードル

先週末、回復期リハ病棟協会の研修会でも少しだけ話題になった地域包括ケア病棟。
従来の亜急性期が廃止となり、その代わりとして位置づけられたこの病棟、7:1を退場せざるを得なくなった一般病棟の受け皿となる、亜急性期の医療を担う病棟区分の一つとなります。
この病棟の基準の各項目や、届け出書類の書式などを眺めていましたが、回復期リハビリテーション病棟や従来の亜急性期とは違った大変さが色んな所に罠のように仕掛けられていて、こりゃそう簡単なものではないと思いました。
1.重症度、医療・看護必要度 A項目1点以上が10%以上

これは回復期リハ入院料1と同じ数字なので、同じ基準だと勝手に思っていました。しかしこれがまったく違うもの。回復期が入院時に1点以上の患者さんが10%以上であるのに対して、地域包括ケア病棟では、入院中常時看護必要度を測定して、その全患者の看護必要度A項目1点以上が10%以上というもの。
基本的に在宅復帰を目指していく中で、A項目があるということは、医療依存度が比較的高い患者さんということになりますから、それらにポイントが付くということは、自宅に帰りにくい人ということになります。従来、亜急性期に入院していた整形外科患者さんで見てみると、急性期から移ってきた当初は手術の創部処置がありますが、そんなものは術後1,2週で終わってしまいます。入院時にはA項目1点以上ですが、これらの患者さんはあっという間に0点になってしまいます。入院経過を通してA項目1点以上となる可能性があるのは、経口での抗癌剤投与患者さんとか、麻薬投与中の患者さん、在宅酸素療法で退院することになりそうなCOPDの患者さんなどでしょうか。