かなりヤバイことになっている銚子市立病院

夕張、舞鶴などとならび、かつて医療崩壊の「聖地」とも言われた銚子。その後再建され、本まで出ています。(さすがに3冊も出ているとは知りませんでした)

再生 銚子市立病院

再生 銚子市立病院

銚子市立総合病院休止からリコールへ マイナスからのスタート

銚子市立総合病院休止からリコールへ マイナスからのスタート

これらの本は読んでいないので、その内容について言及することはできませんが、その再出発した病院が再び危機にひんしているようです。
http://www.chibanippo.co.jp/news/local/180146
正確に言えば、今回危機的な状況になっているのは、病院だけでなく、銚子市自体。公設民営化という手法を取りながら、その経営の合理化は全く進まなかったようです。
これまでの状況については、
http://www.city.choshi.chiba.jp/sisei/siritubyouin/
のこれまでの資料を眺めていくとよくわかります。この2年ほど、まったく更新されていなかったこのHPに、久しぶりに資料がアップされていました。今回の財政危機に関しての各地区での懇談会の資料のようです。
http://www.city.choshi.chiba.jp/sisei/siritubyouin/files/2014-0213-1028.pdf
http://www.city.choshi.chiba.jp/sisei/siritubyouin/files/2014-0213-1147.pdf
昨年度の病院への補助金+繰出金で9億以上。このくらいの補助金が入っている市立病院は、全国にもたくさんありますが、この病院の昨年の1日平均入院患者数は約40人。1日、1ベッドあたり64000円の税金が投入されている計算になります。(外来部分は一応無視。病院を再建しなければならないのは、入院ベッドが必要なためで、外来であれば診療所で対応可能)この数字の恐ろしさは、この病院が自分で稼いでいる金額といえる「入院単価」と比較するとわかります。21436円というこの病院の入院単価の約3倍です。外来も併せて6億数千万という医業収入に対して、支出は給与費だけで9億7千8百万という信じがたい値をたたき出しています。わずか40人の入院数であり、事務職員その他で26人なのに、さらに医事課の委託が11人とか意味がわかりません。常勤医7人に非常勤医が28人とか、よくもまあここまで・・・という数字のオンパレードです。

しかし何よりも悪いのは病院経営のここまでのいい加減さに対して、なんのガバナンスも働いていなかったこと。

今回の診療報酬改定は、この病院のような中小の一般病院を狙い撃ちにしたような改定で、これまで経営がある程度成り立っていたようなところでも危なくなるのではないかと心配しているところです。さて、この病院は大丈夫でしょうか?