中医協で個別改定項目が明らかに その1(亜急性期から地域包括ケア病棟へ)

例年通り、公開ヒアリングの翌週、1月最終週となった今日、個別改定項目に関する資料が中医協のHPにアップされました。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000035826.pdf
これまでの論議で検討されてきたものがほとんどなのですが、細かい要件などが見えてきました。
リハビリテーション関連は急性期から維持期まで、今回も大きく変化します。毎回毎回どうしてリハばかり変更が相次ぐのかとぼやきたくなるのですが、この分野が国にとっても重要なのだと考えることにしていきましょう。

まず、一番驚いたのは「地域包括ケア病棟」。従来の亜急性期病床からの移行ですが、厚労省が推進する「地域包括ケア」という言葉が診療報酬の世界にまで進出してきました。

1.急性期後・回復期を担う病床を充実させるため、1一定の重症度、医 療・看護必要度基準を満たす患者の診療実績、2在宅療養支援病院、二 次救急病院又は救急告示病院等であること、3在宅復帰率の実績、4診 療内容に関するデータの提出等の施設基準を設定した病棟等の評価を新 設する。

これまでの亜急性期との違いとしては、重症患者の受け入れ比率が要件に組み込まれたこと、救急医療などを行っていて在宅患者の受け入れが想定されていること、診療内容に関するデータ提出といったあたり。病床単位が病棟単位になることも重要なポイントです。
施設基準の項目は、

地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1及び2
1 疾患別リハビリテーション又はがん患者リハビリテーションの届出を行っていること。
2 入院医療管理料は病室単位の評価とし、届出は許可病床○床未満の医療機関で○病棟に限る。
3 療養病床については、○病棟に限り届出することができる。
4 許可病床○床未満の医療機関にあっては、入院基本料の届出がなく、地域包括ケア病棟入院料のみの届出であっても差し支えない。
5 平成○年○月○日に10対1、13対1、15対1入院基本料を届け出ている病院は地域包括ケア病棟入院料を届け出ている期間中、7対1入院基本料を届け出ることはできない。
6 看護職員○対1以上、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士○名以上及び専任の在宅復帰支援担当者○人以上が配置されていること。
7 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A項目○点以上の患者を○%以上入院させていること。
8 次のいずれかを満たすこと
ア 在宅療養支援病院の届出
イ 在宅療養後方支援病院(新設・後述)として年○件以上の在宅患者の受入実績があること
ウ 二次救急医療施設の指定を受けていること エ 救急告示病院であること
9 データ提出加算の届出を行っていること。
10 リハビリテーションを提供する患者について、リハビリテーションを1日平均○単位以上提供していること。

地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1
1 在宅復帰率が○割以上であること
2 1人あたりの居室面積が内法による測定で○m²以上であること。

看護職員配置加算
1 看護職員が地域包括ケア病棟入院料の施設基準の最小必要人数に加え、
○対 1 以上の人数が配置されていること。
2 地域包括ケア入院医療管理料を算定する場合は、当該病室を含む病棟全 体の看護職員が最小必要人数に加え、○対 1 以上の人数が配置されている こと。

看護補助者配置加算
1 看護補助者(看護師を除く)が○対1以上配置されていること。
2 地域包括ケア入院医療管理料を算定する場合は、当該病室を含む病棟全
体の看護補助者(看護師を除く)が○対 1 以上配置されていること。
[留意事項]
1 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1及び2の施設基準
9については、平成○年○月○日から適用するものとする。
2 地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む)1の施設基準2につ いては、平成○年○月○日までに届出を行った医療機関にあっては、壁芯での測定でも差し支えない。
3 看護補助者配置加算については、平成○年○月○日までの間は必要人数
の○割未満であれば看護師を看護補助者とみなしても差し支えない。

など、従来の亜急性期病棟の基準をもとにして、様々な制限が設けられているようです。リハスタッフの専従配置が明文化されたのは、回復期リハに続くものです。

さらに、
2.亜急性期入院医療管理料は平成○年○月○日をもって廃止する。
と、ある一定の暫定期間をもって、現在の亜急性期は廃止されることも明記されました。
現在、当院の周囲には亜急性期病床を持っている病院が数多く存在しますが、そのうちこの新たな基準を満たして、地域包括ケア病棟へ移行してくる(=病棟単位に変わるということは、この病床数が従来の亜急性期の時よりも増加する)のかはまだ不透明です。特に従来整形外科の術後など軽症例が大半を占める形で運営されていた病院ではこの変化はかなり大きなものとなると予想します。


新たな名前をもらって拡大を目指す、この病棟の行方はいかに・・・