看護必要度変更の嵐はさらに吹き荒れる。

今回の診療報酬改定で一番大きな影響を受けるのは急性期病院。なかでも「なんちゃって急性期」というか、それほど重症ではない患者さんを診ている病院となりそうです。2025年問題解決へ向け、前回改定での「予告篇」モードから一気に「本番」に突入していきそうな雰囲気。2025年まで10年余りですし、その時突然変更というわけには行かないですから、今頃から段階的に変えていくというのは当然といえば当然のこと。
今日開催されている中医協の資料も朝からひと通り目を通している所ですが、その中で、おーっと思ったのは最後の「その他」の項目として挙げられている、ハイケアユニット入院医療管理料の重症度・看護必要度と特定集中治療室管理料における重症度の2つの見直し。
これらの特定入院料を算定するにはそれぞれの入院料に応じた看護必要度の項目である一定の基準を満たすことが求められているのですが、この基準をこれまでのA項目◯点以上「または」B項目◯点以上のようになっているのを「または」から「かつ」に変更してしまうという作戦。 
これによってシミュレーションでは、ハイケアユニットでは算定可能な割合が現在の100%から63.2%にダウン。さらに今回見直しを予定されている一般病棟用の看護必要度項目へこちらも変更することで、さらに下がって42.1%となるとのこと。特定集中治療室管理料のほうは「かつ」に変更されると満たすことができるのはわずかに25%ほどと1/4になってしまうという結果。
これはなかなかの一大事ですから、経過措置や割合の緩和などは検討するようですが、この「かつ」という条件は案外とキツイものになりそうです。今回の改定では、これらの病棟に入るような重症者を重点的に診る病院を評価していくという方向ではありますが、この「本物の急性期」というか、そういう病院としてのハードルの方もぐっと上げていこうという意図が見えてきています。中途半端な「なんちゃって急性期」と「急性期をやってみたいなー」系の病院はこの「急性期」病院の領域からはじき出されていくのは間違いなさそうです。