日本の医療の将来はどちらを向いているのか?

現実に出せるお金には限りがあり、働いている人間のがんばりにも限界があり、一方利用する人々の要求には際限がないという現実の中で、いろんなことが先送り(まあこの要求に逆らうようなことは選挙ではマイナスですから・・・)されながら、ちょこちょこと知らないうちに少しずつ変わっていくのが医療制度です。
今回のニュースはDPCがDRG化していくというお話。
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=40269より。
中医協がDPCの点数の「DRG型点数」を拡大していく方向へ、というニュースです。入院初日にドーンとその疾患の入院料を固めておき、それ以降の入院料を低く抑えることで、無意味な入院期間引き伸ばしをさせないようにしようという考え方。

急性期の病院の中にも未だにベッドの稼働率命みたいな経営指標でみているところがあるようで、そういう病院では新規入院が減るとすでに回復期へ転院すべき状況の患者さんまで転院させずに入院期間引き伸ばしするように上が指示を出したりするようですし、入院期間が短くなってくると入退院の頻度が上がり、仕事の密度が高まる病棟スタッフの不満が高まり、離職のリスクが高まるなんて話もありますが。
疾患ごとの一回あたりの入院料が一定(入院期間が長くても短くても、総額の入院料が一定)というアメリカと同じDRG型の入院料設定のものが増えていくと、より一層、入院期間の短縮が求められていくかもしれません。要注目です。
またこの記事の2ページ目は亜急性期病床に関連した論議。はっきりいって最初にこの亜急性期病床という制度を導入した時に目指していたものが不明確で、どう考えても「整形外科系病棟の術後中心で回すと、とってもオトク」みたいな制度になっていましたから、そういった運用になるのは必然であるにもかかわらず、それをまるで病院側が「ズル」しているかのような評価はあんまり好きではありません。しかし、この時期からこういう形で論議の対象となっているということからみて、亜急性期病床の来春の行方はまだ見えないです。