胃切で血糖コントロールって本当?

クローズアップ現代はどうしても糖質制限食がキライなんでしょうか。
今週の放送では手術療法の特集を行なっていました。
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3272.html
この番組内で出てくる術後の症状をみていると、これってホントに大丈夫?!と首を傾げたくなるようなものが・・・
例えば、術後1ヶ月以上も水分さえも飲み込み困難になっている例、普通に胃全摘して、そんなことになってたら手術としては大失敗レベルだと思うのですが。。。どこかで狭窄おこしているとか。

さらに疑問なのが、そのメカニズムとして「インスリン分泌が促進される」ということを強調している所。かつて大学院にいる頃、動脈硬化の促進因子として「高インスリン血症」が良くないんだという話を勉強会で聞いて「なるほどな〜」と感心した覚えがあるのです。だから食べたいだけ食べてインスリンで血糖コントロールというのは間違った治療法で、血糖値をコントロールするだけでなく、インスリン抵抗性を改善させないといけないんだと。その意見で言えば、このインスリン分泌促進という考え方は決して合併症コントロール(=動脈硬化の抑制)という意味でメリットはないのでは?と。

さらに胃切後5年ほどで現れるビタミンB12欠乏など他の問題についての考察もないのも甚だ疑問。以前「糖質制限食には長期予後の検討がなされていない」と批判しながら、この胃切療法は「治療の選択肢の一つ」と言われる理由が知りたいものです。

ついでにいうとこういう胃切除後の患者さんって食事前は低血糖、食直後は高血糖になって、日中の血糖変動が大きくなります。これは動脈硬化促進因子だという話を聞いたことがあるんだけど、それについてはどうなんでしょう。もしかして術後狭窄で食事が入らないことで強制的な食事制限によって血糖値が改善しているだけってことはないんでしょうか?