アメリカの研修報告を聞いて思ったこと。

先月、アメリカのクリーブランドに研修に行っていたうちの病院のPTさんと看護師さんの研修報告会が昨夕に行われました。クリーブランドアメリカの五大湖のほとりにある街。かつては鉄鋼の街として栄え、映画「メジャーリーグ」の舞台でもあるインディアンスの本拠地でもあります。この街に毎年2人ずつ研修に行っているのですが、今年はメトロヘルス医療センターに。この病院には僕自身も数年前に一度視察に行かせてもらったことがあります。屋上にヘリポートもあり、熱傷治療の専門のセンターも有しているというバリバリの急性期病院なのですが、この中にリハビリテーション病棟が3つ(脳卒中、脊髄損傷、頭部外傷)あるという病院。いろんなカルチャーショックや食生活、言葉の問題などのストレス下でよく頑張ってきたと思いました。
彼等の報告の中で一番印象的だったのは、研修させてもらった脳卒中のリハビリユニットには「病棟で食事介助されている患者さんはいなかった」ということ。日本の回復期リハビリテーション病棟では食事に全介助を要する人や経管栄養の人はいくらでもいると思うのですが、パッケージのフタを開ける介助をしなければならないことはあっても、スプーンで食事を口に運んであげないといけないような患者さんはおられなかったとのこと。
アメリカのリハビリテーション病院の入院期間は平均で4週間程度と大変短く、「日本のリハビリ入院期間が長過ぎる」という指摘がなされることがあります。(実際に厚労省の将来予想の図では回復期・亜急性期の入院期間を今より短い60日程度としています)しかし、そこに入院している患者さんの病像がまったく異なっているということを十分に考慮する必要がありそうです。重症例を引き受けるということと、しっかりリハビリに取り組むということを両立させることで、当初の麻痺や障害のレベルで言えば、その改善効果はこっちのほうが上なんちゃう?!とか思ったり。

一方で、各症例のカンファレンスは毎週で、ショートゴールの設定も数日単位で具体的な目標をきちんと立てているという点については、こちらも見習わなければならないと痛感しました。