看護師の代わりにPT、OTが夜勤をすることで回復期リハ医療の質は担保可能なのか

昨日病院で見せてもらったFAXのニュース記事に気になるものがありました。
日本慢性期医療協会の武久会長が回復期リハ入院料1の夜勤看護体制にリハスタッフを組み込もうというもの。
今回の改定で新設された回復期リハ入院料1は、13:1看護という手厚い看護体制なったことがひとつの特徴ですが、看護については、この他に正看護師比率70%以上や夜勤の看護職員2人体制という縛りが他にあります。
日慢協の会員病院の中にはこの看護師が足りない病院が多いのではないかと推測しますが、夜勤を「看護職員2名」だけではなく、「看護職員1名+PT or OT 1名+介護職員1名の3人」でも良いようにしたいというのがその提案内容。当然「看護師が足りないから」なんてことは言わずに「24時間365日のリハビリ提供」などということを理由としておられますが。
しかし、現状より手厚い看護体制の上に追加する形でリハスタッフを配置すれば、言われるような「24時間リハ」というものもあり得るかもしれませんが、看護師の穴埋めとして配置されたリハスタッフは「看護のお手伝い」をするしかなくなりますから、夜勤帯にリハビリを提供するなどということは非現実的なものとなるでしょう。
さらに今回の改定で求められているのは、より重症な脳血管障害を中心としたリハビリテーションを要する患者さんをより早期に受け入れできる病棟に対する評価でなければならないはず。その中で出てきた数字が13:1という一般病床に近い看護師配置なのでしょう。呼吸状態、准看状態の不安定な患者さんを引き受ける中で、夜勤帯に看護師が一人でOKというのはいかがなものでしょうか。
今回の改定でその差異を論議された亜急性期病床の点数と回復期リハ1の点数は同一となりました。この同一の入院基本料算定するために、亜急性で満たすべき基準である、13:1、正看護師比率70%以上、夜勤看護職員2名というものが組み込まれたというふうに見るのが自然です。
看護師は不足している一方、PT,OTは養成校の作り過ぎで飽和してきそうだから、このあたりを看護の穴埋めに使ってやろうという本音が透けて見えると感じたのはきっと僕だけでは無いはず・・・