「除染」という言葉のゴマカシ

 冷温停止状態となったという宣言を野田首相が行いました。実際問題として原子炉からメルトダウンした核燃料の状態も、中の格納容器、圧力容器の破損状況も、そこから地下水への漏れの有無も何もわかっていない状態で「収束」なんていう言葉を安易に使う彼らのセンスは本当に???です。さらにいたるところで「除染」「除染」という言葉を繰り返していますが、その作業の内容を見ていると不安になるものがあれこれ。高圧の水で洗い流しておられますが、それによって放射性物質が消えてなくなるわけではありません。流れた水に移っていっただけ。それはどう処分されるのでしょう。その流れた先はこの間まで作業をしていた排水溝。再びそこには放射性物質が流れこんでいきます。その「取り除かれた放射性物質をどう回収するのか」という方策のない「除染」はたんに汚染を広げていく恐れさえあります。
 さらに作業している人たちの被ばく、内部汚染について十分な教育がなされていないのではないかと危惧する映像ばかりです。「除染」のために刈り取った草や枯葉を抱えて運ぶ人、使用しているマスクはそのあたりで使用されているディスポの紙マスク、さらにそのマスクから鼻が完全にはみ出している・・・現在の「モデル事業」なるものを実施している際にどういった場所でどういった作業を行った場合にどれだけの汚染がおこるのか、をきちんと測定しているという報道は全くありません。作業前と作業後に全身のサーベイ、ホールボディカウンターによる測定を行うことが必須となぜ思わないのか。

いくつものゴマカシに包まれた様は、いろんな軽減策は行うけれど、その財源は全く用意されずに、将来世代に付け回ししていく「選挙目当て」の某政権政党の政策によく似ている気がします。