聖地と呼ばれるのは伊達じゃない!! ということか・・・

医療崩壊ニュースの聖地の1つとして名高い千葉県銚子市。市立病院がなくなるというインパクトの強さでTVでも取り上げられたりしました。その病院が「再開」されて1年半。この春からは入院ベッドも50床ほどではあるものの再開されたということで「奇跡の病院復活!!」みたいなことになっていましたが、先月末に朝日新聞の千葉県版に以下のような記事が掲載されていたとのこと。やはり、一旦閉鎖した病院がそう簡単に「奇跡の復活」なんていうものはできないということでしょう。
以下、記事(をネットに上げておられたのをコピペ)

銚子市立病院の赤字穴埋め1.7億円増提案へ市、今年度総額5.2億円」


 銚子市は、市立病院の赤字穴埋めに1億7千万円を増額する病院事業会計の補正予算案を12月市議会に提出する。同病院の赤字穴埋めは、今年度だけで総額5億2千万円。野平匡邦市長は「どう収支改善していくか、病院側に努力してもらいたい」と語った。

 今回の補正額は、経営主体の私立病院再生機構からの要望額に4375万円を上積みした。市病院再生室は「資金ショートしないよう配慮した」と説明する。

 同病院の赤字穴埋め額は当初予算で、1億3200万円(前年度の赤字額2100万円を含む)を見込んでいた。だが、9月補正で2億4200万円、12月補正で1億7186万円を追加する事態に追い込まれた。度重なる赤字穴埋めは、市病院再生室は「入院患者の大幅な減少による収入減」と説明している。

 年度当初の入院患者は年間1万7280人と見込んでいたが、9月補正で1万1420人、12月補正では3720人へと大幅に下方修正することになった。今年3月に53床で入院患者の受け入れを開始したが、1日の平均入院患者は10人にとどまっている。

 市病院再生室によると、赤字穴埋めを含む同病院への一般会計からの今年度の繰り出しは総額約16億円。病院閉鎖に追い込まれた2008年度当時の繰り出し金額とほぼ同額に迫っている。
閉鎖前の市立病院の態勢は393床、常勤医三十数人、看護師200人。現在は53床、常勤医5人、看護師30人。

 野平市長は「(10年度からの)3年間の経営状況をみて、あまりに経営改善が見られない場合は住民投票で市民の判断を仰ぎたい」と語った。

(2011年11月29日 朝日新聞より)


この記事の中で注目すべき数字は年間入院患者数の見込み。年度当初は17280人とのことですから、366日で割って(今年度はうるう年なので)47.2人という数字に。要するに入院再開初年度のベッド稼働率を90%というとてつもない数字にしていたわけです。それが9月には31.2人、12月には10.2人へととんでもない下方修正されたということ。この9月の数字についてみてみると4から8月(ようするにそれまでの実績)の平均入院患者数が10人だとすると、10x150で1500人。後半の7ヶ月が47人で回るとすると47x210で9870人。ちょうどこの二つを足したあたりの数字になってるなあ・・・なんてことが見えてきたり。
この「予算」とかを組む人たちはきっとつじつまさえ合いさえすれば、自分の財布は痛まない(最初から損失補填してもらえることが決まっている)ので、適当な数字をいれるんでしょうか?
この年間16億という数字のすごいところ単純に53床の入院だけでこの半分のお金を稼ぐとすると、8億÷53÷365=41354円。かなりしっかりした急性期医療をしなければ出てこない数字です。また、この病院の職員がかりに80人として(医師5人、看護師30人の病院ならこれでもかなり多い数字ですが・・・)年間職員ひとりに2000万円の補助金ということも・・・
この病院の「病院」としての医療収入ってどれくらいなんでしょうか?

しかしこのベッド回転上は「有床診療所」レベルのこの「病院」に年間16億のお金をつぎ込めるなんて、きっと銚子市はすごいお金持ちなんだなー(棒読み)