問題の本質は何か。

「研修医、気管器具挿入でミス 焼津、患者が死亡」
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20110215000000000012.htm
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110215/CK2011021502000133.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20110214-OYT8T00998.htm
起こった内容は昨年報道された金沢赤十字のものと同一。気管切開カニューレを交換した際に内筒(というか筒になっていなから呼吸が出来ないわけで、正しくはスタイレットでしょう)をそのままにしたために窒息したというもの。

この金沢の時も研修医が気がつかなかったというものでした。そしてその処置の介助に着いていた看護師さんも気がつかなかったとのこと。これに対する対策としてスタイレットの色が異なるタイプの物を採用するというのが金沢日赤の対応方法だったという記事があったと記憶しています。この市立病院では「「研修医が患者に危険を与える可能性がある処置を行う場合、複数の医師の立ち会いが必要」というマニュアルがあるとのことですが、何が「危険を与える可能性がある処置」なのかが明記されていなければなりません。
僕の個人的感覚からすると気管切開後1、2回目の交換はリスクの高い交換処置と思いますが、3ヶ月以上経過している患者さんでのルーチンの交換はリスクが高い手技とは思いません。一番の問題は医療処置として行っていることの意味を認識していないことなのではないでしょうか。この30才台の研修医は自分の行っている行為はどういう目的で行われており、行った後に何を気をつけなければならないのかをまったく認識していなかったのではないでしょうか。これは一緒に処置を行った看護師も同様。

いろんな操作が理屈を考えないマニュアル依存になっていることが逆にこういった安易なトラブルに繋がっているのではないかという気がしてなりません。