非科学的選択による悲劇

「「ビタミンK与えず、自然療法の錠剤」乳児死亡で助産師を提訴…山口」http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=27819というニュース。
なぜ、ビタミンKを与えるのか、という根本的な理解無しに「助産師」と名乗っている時点でほとんど犯罪。さらに「3回目の時に「ビタミンKの代わりに(錠剤を)飲ませる」と説明した」というこの錠剤、「植物や鉱物などを希釈した液体を小さな砂糖の玉にしみこませたもの」と書いてありますから、ホメオパシー系のアヤシイ団体でしょう。ただの飴玉がビタミンKのかわりになる、自然の力で・・・と言っていますが、なぜビタミンと呼ばれるのかといえば、自分の体で産生することができないからであり、このビタミンK不足は出血傾向をきたし、ある一定の確率で新生児の頭蓋内出血を起こすことがわかっているからこそ、ビタミンKを投与するのです。アヤシイ鉱物よりもずっと自然な納豆とかチーズとかに含まれるものですから、本当に「自然の力」が必要ならそんな飴玉よりもずっとまともだと分からないとは・・・
ちなみに「自然治癒力が揺り動かされ」ても人間がビタミンKを作り出すことはできません。

しかし、こんな愚かな助産師を選んでしまうこの母親にも一定の責任があるとも言えるし、こういった「にせ自然療法」を礼賛する各種メディアとか、こんな類を保健医療にいれようとした某鳩山首相さんとかにも責任があるとおもう今日この頃です。