医師の負担を減らすには・・・

求められる医療水準をさげるか、アクセスを制限するか、の2者択一でしょう。教育環境を整えないまま医師養成数を増やすとか、地域に研修医などの若い医者を薄く広くばらまくというのは、確実に医療水準を低下させる(少なくとも現在受けられる高水準の医療をキープすることは困難)でしょうし、今12時間労働しているひとが8時間労働とするには医師の診察時間は単純に行けば2/3に短くしなければなりません。単純に行って、3分診療が2分診療になるということです。
アクセス制限の考え方が今回の改定に盛り込まれましたが(保険診療保険外診療費について言及するのもある意味面白いのですが、それはおいて)トリアージを医師または看護師にさせるというふうに決めるのでは、医師の負担はまったく減りません。そもそも夜中に「いつもの薬をくれ」だの「イライラする」だの、そういうしょうもないことでやって来る人の多くは「コマッタちゃん」なわけですから、そういうひとにいちいち説明をするくらいだったら、処方してしまったほうがはるかに早く外来が終わります。「そういった理由は問答無用でカネをとって良い」と決めておけば、ごねるのは事務のところですから、そこに「コワイ顔」の警備員さんとかを配置しておくことも可能です。
 そもそもトリアージのために人を配置できるのはごく一部の3次救急医療機関のみ。現在崩壊が問題となっている地域の2次医療機関にはそんな所に割けるほど潤沢な人員はいません。そしてアンダートリアージがおこれば、確実にM日新聞とかが「トリアージミスで死亡!!」とかまた医者を叩く素材ができたと喜び、「みの」さんとかいうBPOでいつも問題になっている人とかが、「それでも医者ですか!!」なんて朝っぱらから叫ぶんでしょうねえ・・・

アクセス制限を医療改定に盛り込むことは消費税増税と同じく、一番言いにくいことなんでしょうねえ・・・きっと。