肝硬変 出血・・・

 「兵庫・尼崎医療生協病院:研修医、血管に傷 35歳女性が死亡」というニュース。
 まずは患者さんのご冥福をお祈りします。35才で重度アルコール性肝硬変、研修医ですか・・・
 僕の研修医時代にも同じくらいの年齢のアルコール性肝硬変の患者さんがおられました。救急搬送されてきて、測定したPTが70秒以上、APTT測定不能。採血した針跡、ルート確保した点滴ルートの横からも出血がジワジワと続き途方にくれたことを思い出しました。2週間病院に泊まり込んで、24時間持続で血液濾過透析をして(あの頃は元気だったなあ・・・)、肝性昏睡による意識障害は一時的に脱したものの残念ながらお亡くなりになりました。研修医1年目。ダブルルーメンのクイントンカテも自分で入れたし、腹水穿刺も、気管内挿管も全部自分でしたなあ・・・(もちろん指導医の下でですが)
 事実はなにかは新聞報道だけでは分かりません(仮に全てを医療機関が公表していてもそれを伝える人が素人なので(何が重要な情報かわからない)必要なことが欠落してしまいます)が、4日に穿刺して6日から輸血を始めて、(どれくらいの期間、どれだけ行ったかは不明)。16日に出血性ショックで死亡っていうのは医学的にはおかしい気がします。この処置で大きな血管を傷つけて出血したとすれば、もっと早くショック状態になる筈です。16日の死因が本当に出血性ショックならその出血はその直前に起こっているはず。
 しかしこの年齢でアルコール性肝硬変になるほどお酒を飲まないでほしいというのが正直な気持ちです。