IT化で患者を救えるか(地域連携パスから考えてみる・・・)

 こういうのを考えると大学のエライ人はすぐにネットで情報を・・・みたいな事を言われます。大学のほうで患者さんの情報をネットに載せ、電子署名でセキュリティを確保して情報を見に行きます。しかし、このシステム本当に知りたいことはなにも分からないのです。某地域の連携パスはそのデータ入力にDrが1時間半から2時間の余分な時間が必要になった、とか、某地域には複数の急性期病院が「こんな患者さんがいますよ」という情報を入力すると「うちの病院で引き受けできますよ」みたいに回復期、維持期の病院が手上げをするというシステム(僕はヤフオク型と呼んでいます)が存在するとのことですが、使い勝手が悪いためかほとんど利用されず、結局今まで通り電話で転院先を探しているとのこと。(当然といえば当然ですが)
 今重視されているのは「顔の見える連携」。ネット経由での情報のやりとりとかではそれが難しくなるわけで、まったく問題のない症例であればこのネットでの情報のやりとりのみで受け入れ可能ですが、引き受け可能かどうかギリギリのレベルの時には、なんとかなるかならないか、なんとかするかしないかはもう相手との人間関係、これまでのつきあいの深さ等、そういう数字では表せないもので決まってしまうのが現実です。