医師の強制配置を提言する記事の問題点

 読売新聞に「医師を全国に計画配置、医療改革で読売新聞社提言」http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081015-OYT1T00894.htm?from=main1 という記事が載っています。
 この中で「地域・診療科ごとに定員を定め、計画的に配置するよう制度を改める。対象は、義務研修を終えた後、専門医を目指して3〜5年間の後期研修を受ける若手医師とする。」とのこと。後期研修医がいわゆる僻地で指導医のいないもとで仕事をするということでしょうか?彼等は「研修医」なわけです。今の研修医はいろんな科をローテートしていますので、自分の専攻したい診療科の研修はほとんどしていません。
 残念ながらこういう状況の中でいわゆる地方へ配置されるということの問題を考えているとは思えないのです。

 新臨床研修制度は今回の医療崩壊の原因と言われていますが、あくまで「最後の引き金」をひいただけなのではないでしょうか。根本的には昭和の終わりから始まった医師養成の抑制政策で減少してしまった30代後半から40代の医師(一番仕事をする世代)が減少したことだということを理解しない限り、解決策は出てこないのではないでしょうか。