救急医療情報システム「リアルタイム更新を」は、いいけど誰がリアルタイム更新するの?

 キャリアブレインの記事http://www.cabrain.net/news/article/newsId/15057.htmlより。どう見ても救急隊側の都合でまとめられたもので、その対となる救急病院側への配慮がまったく見られていないという意味であきれてしまいます。いま救急病院は「人手不足」なわけです。リアルタイムでどんどん状況が変わっていくような救急センターは、最近いろんなTV局の特集を見るまでもなく戦場みたいになっています。それは「現場」のマジメな救急隊の人たちは知っているはず(知らないふりをしているひとはいるかも知れんけど)です。心肺蘇生をしながら救急からのホットラインを受け取って断った医者がどうやって「医療機関には受け入れを照会した救急隊名や時間、受け入れられなかった理由などを残すことが必要」みたいな記録を取る暇があるんでしょうか?ギリギリの中でみんなが救命救急医療を成り立たせています。無駄な事務仕事を減らして勤務医の負担を減らすというのが今回の診療報酬改定の一つの柱であったはずです。それがまさに現場でギリギリの仕事をしている人々に自分たちの統計のデータ集めのための仕事をやれというのはあきれてものがいえません。
 どうしてもそんなデータがほしかったら、その消防庁の作業部会の方々が救急現場に行って24時間まるまる1ヶ月張り付いて(当然、夜は当直扱いで36時間勤務でどうぞ。ただデータを取っているだけですから医師の2,3倍は余裕でがんばれるはずなので100時間くらいまではひとりでがんばってもらってもいいですよ。)データ取りをしたらいいです。