道路より、きれいな病院より、中で働く人間が大切だと言ってくれる政治家はいないのでしょうか?

 このところ、地方の首長さんがたはそろって「道路特定財源」の維持を訴えておられます。「道」を作ることが地域間格差をなくすために必要なものだと叫んでおられます。そういえばこの間までは「新幹線」だったし、他に「空港」なんていうのもありました。しかしこうやって作られた島根県西部のある空港には1日1往復ずつの大阪便と東京便が飛ぶのみです。そういった空港はけっして島根だけでなく全国にあるでしょう。また地方と都会が高速道路で結ばれた場合に地方が発展したという例はほとんど無く、多くがストロー現象でさらに地方は衰退していくというのがこれまでの現実です。それよりもその地場にしっかり腰を据えた医療福祉産業にそのオカネを使ってもらえないでしょうか。「患者を中心部に運ぶための道路だ!!」なんていうのは詭弁です。そうやって集中された先で、先日高知新聞で特集されていた高知医療センターの脳外科医師のようにボロボロになっているのが今の医療の現実です。その地方にしっかりとオカネが落ちる方法は土木工事よりも(これは中央の大企業にカネを持っていかれる)中小企業しか存在しない地元の福祉関連に使った方がその後もそのオカネがその地域で使われることになります。
 30年以上前の高度経済成長時代と同じ論理で高齢化低成長時代を生き抜こうとする「裸の王様」のような政治家の中に、この現実が理解できるひとが誰か出てこないものでしょうか?