この政策に現場の人間は関わっているのか?研修医の気持ちは?

朝日新聞の記事より、http://www.asahi.com/life/update/0518/TKY200705180326.html研修医、拠点病院に集約 修了後へき地に 政府与党検討。もうすぐ選挙ですから、何かを打ち出さないと行けないのでしょうが、視点がずれていませんか?本当に2年の研修が終わった医者を僻地に送るのですか?そこで彼等は誰の指導を受けてどんな医者として成長していくのでしょうか? 
 最近の政府や与党の方針の記事をみて、いつも思うことは、医者は免許さえ持っていれば全部同じという幻想をもっているのではないか?ということ。そして何か使い捨てのコマみたいに扱われているのではないか、という心配。新研修制度はこれまでの医局による人事制度を否定したことにより始まりました。これによりいろいろな変化が起こることは最初から想像がついていたわけで、それでもなお医局制度を批判して今回の制度を推し進めてきた人たちが今回方針を改めるのであれば、ここまでの医療崩壊に至ったことについての反省をして欲しいと思います。なにもこれまでの政策に反省せずに、いろいろな無駄なお金をつぎ込んできたものがたくさんあります。(我が島根の中海干拓、淡水化事業とか)
 ガン対策をする(放射線治療と化学療法を増やす)ガンの死亡率を下げる、日本中どこでも最新の治療を受けられるようにする、ガン登録をしっかりやる、という記事が踊っています。(毎日新聞より。http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070519k0000m040149000c.htmlがん対策:「10年で死亡20%減」 推進協が計画案)これについて異論を挟む人はほとんどいません。しかし、これによる医療費の増大について誰も論究しないのが気に入りません。日本の医薬品と医療機器が高価なのは間違いありません。欧米との価格比較で2倍とか8倍するのも事実でしょう。にも関わらず日本の胃ガン手術、心臓のバイパス手術、くも膜下出血クリッピング術の医療費の国際比較を「財務省」なり、「厚生労働省」なりの公式記録として見たことがありません。機械は割高なのにトータルで安くなっているとすれば、それは医者の「技術料」がダンピングされているということではないでしょうか?
 そしてその制度の不備に振り回されるのは、若い研修医と研修直後ののDrたち。彼等は新研修制度というものに突然放り出され、その姿が少しずつ見えだしたかと思ったら、また「大人」たちの都合で振り回されるのです。その彼等に職業と居住地を選択する権利は無いと言うことなのでしょうか?厚生労働省のお役人さんたちには、日本の最高学府である東京大学をご卒業され医師免許も持たれた立派な方々が多くお勤めのはずですので、まずは彼等が北海道や東北の危機に瀕している病院へ1年単位で行かれてはいかがでしょう。1年後のポストを保証していればOK!!らしいので。