安全の多重化の欠除

福島第1原発の汚染水漏れは毎日新たな事実が発覚するというか、ボロが出てくるというか。
仮設で応急的に作った継ぎ接ぎだらけのタンク、耐用年数2年というのはキチンと歪みなくできた時でしょうし、あんな海べりのところに突貫工事で作られていれば、組み立て時の不具合がある一定の頻度で起こることはほぼ確実。なかに高濃度の汚染水が入っていれば、日々の点検作業にもある一定の被曝リスクが出てくる。
このタンク群の周りに堰が作られていたにもかかわらず、弁が開放になっていたので、その外に流出していた。弁を開放していたのは雨水が貯まると漏れてもすぐに発見できないからだと主張している東電のおっちゃんたちには、開放していてもいつどこでもれていたか気が付かなかったという今回の事実をどう考えるのかぜひ聞いてみたいものです。
そして極めつけは、その外に流れだした汚染水が排水路経由で海に直接流れた「かも」しれないというニュース。タンクが漏れたときの2重3重の防護策がなんにも用意されていないという感動的な事実は、ホントにこれって原子力関連施設なの?というくらいのお粗末さ。安全対策を多重化するという根本の部分が欠除しているとしか思えません。
そして、今朝ニュースを見ていると、漏れたところの土壌を回収するとか言っていましたが、この作業による被曝のリスクはどれくらいと見込んでいるんでしょう。1時間あたり100ミリシーベルトという高線量なのはほんの一部なのか、その作業範囲全体がそうなのか、放射線β線なのかγ線なのか、作業員の被曝対策がどうなっているのかが気になりました。