志木市民病院の小児科撤退問題のニュース

このところ、話題の「都会型医療崩壊」問題。最近のニュースの注目は、日大光が丘病院と志木市民病院。(この二つは県境が間にあるものの、地理的にはかなり近いようです。)
このうち志木市民病院関連ニュースでは、小児科が危ないけど、赤字もすごいので周辺自治体にヘルプを求めたけど、その前に小児科医が全員辞意表明→ニュースで大騒動→医師会が動いて非常勤でしばらく小児科継続→周辺自治体の補助はこのDrたちが行く予定の民間病院へされることに決定→だから市民病院での小児科は断念。。。というところまで来ているようです。

そもそもこの志木市民病院という病院をHPでチェックしてみると
入院の6割近くが小児科入院で占められています。100床のベッドのうち、小児科ベッドが45床。これだけのベッド数をたった3人の医者で回していて何故に赤字になるのでしょう。これまでの志木市の主張やなんかを見ていると小児科医療で年間1億2000万の赤字で、その原因は志木市以外の周辺自治体から流入する患者が全体の8割だから・・・なんてことが書かれていました。
これが本当なら、小児科医療を止めたら1億2000万円ほど赤字が減るはずですが、おそらく赤字が増えることはあっても減ることは無いはず。診療科ごとの原価計算は本当に難しくて、とくに中央診療部門ともいえる放射線とか検査とか、あるいは事務とか、そういう費用をどこにどれだけ原価としてのせるのかが大変です。実際、たった3人の小児科医でこれだけの患者をさばいていて、ここまで赤字が膨らむのは疑問です。実際に赤字が膨らんだのは小児科が増えたからではなくて、整形外科が閉鎖になったことや外科の手術数が無茶苦茶少ないこと、内科は小児科より医師数が多いのに入院患者は半分以下。どう考えても内科や外科の収益の低さがこの病院の赤字の原因にしか見えないのですが。。。。小児科がなくなり、売上の多くが消え去った後、そこに何が残るのでしょう。