上海

 上海は人口2300万とも2500万ともいわれる中国最大の都市。経済の中心都市でもあります。今回訪問したところはそのなかでも浦東新区という新興開発地域。浦東国際空港からクルマで15分ほど。この地区にはもうすぐ上海ディズニーランドも建設されるとのこと。古い建物を取り壊したところにどんどん新しいビルが建てられているという感じ。田舎者は完全に圧倒されます。
 中国の医療事情をほんの少しですが垣間見させてもらいました。中国の病院は3級から1級、そしてそれぞれの級が甲乙丙の3段階で計9段階のランクに分けられています。日本の級の使い方と反対で一番格上なのが3級病院になります。見学させていただいた3級病院は最新の医療設備はすべて揃い、年間2000例の脳外科手術を行っているところ。門を入ったところから受付、廊下、エレベーターから病棟まで全てが人、人、人・・・。この中国人の波にさらわれて迷子になったら二度と日本には帰れなくなるのでは・・・と思うほど。病棟の部屋はほとんどが3人部屋でしたが、そこに4つ目のベッドがあり、さらに各患者さんには家族が付き添っているということで病室の中も人、人、人。入院期間は1週間から10日ほど。まあ手術数からみてもそれ以上の入院期間は物理的にも不可能な状況です。
 こういう中でのベッドサイドリハビリテーションなどというものは存在しようもなく、自分で動ける人は自分で動き、家族が体をさすったり、ROMをしたり、介助してトイレまで歩いたり・・・という程度。リハビリテーション(康復というらしい)スタッフの数もごく僅かで、見学させていただいたリハ室にはいろんなリハビリ器具は揃っているものの使われている形跡はあまりなく、メインで使用されているのは低周波やマイクロ、超音波治療器、牽引など。あとはマッサージの人。20年前、医者になった頃のリハ室はこんな感じだったなあ・・・と思い出させてくれました。
 こういった急性期の総合病院を退院後の患者さんはどうするのかと尋ねると半数はそのまま自宅へ、残りの半数が転院という形のようです。一つは大変高額な医療費の負担の問題。お金のある人はそのまま入院を継続することも可能(すべて自費だったりする)だけれども、普通の人は家に帰る以外の解決策はないのでしょう。中国の医療は基本的に前払い制度で、診察をうけるのも薬をもらったり検査を受けるのも先にお金を払ってから、というシステムだそうです。入院するときも原則先払い。(逆にお金を払えなくなって夜逃げ?状態で踏み倒す人もいるとか・・・)なかなか大変です。
 中国にも保険制度はあるようですが、未加入の人も貧困層を中心に多いことや、カバーされている部分とそうでない部分の問題もあるというのは3年前に訪れたアメリカで聞いた話に近い部分もあるのかな、という印象(アメリカにはメディケア、メディケイドがある分、まだセーフティネットがあるとも言えますが)。

こんな感じの高層住宅が至る所で・・・

新しく作られている老人施設

ケーサツは110番、消防は119番は日本と同じ。救急車は120と別番号のようですね。

中国の老人施設。なかなか快適そうな施設。麻雀専用部屋もありました。

公園などに置かれているというリハビリ遊具。