稲わらのセシウム汚染の原因はSPEEDIデータを公開しなかったことが原因

SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)は、気象データなどを元に「緊急時」に「迅速」に放射性物質がどのように周囲に拡散してくかを予測するためのシステム。もちろん「予測」ですから、外れることももちろんありえますが、すくなくとも「菅」とかいう人の思いつきよりはずっと精度の高いデータ。以前に松江市のオフサイトセンターで実物を見せてもらったのですが、その時は「どうして天気予報とかみるんだろ???」と思っていましたが、今回の福島の事故でその風向き、雨の状況がこれほど大きく影響するということをまざまざと見せつけられました。
 そのデータを使用すれば、どの時期にどれくらいのものがどの地域に及んでいるのかが予測でき、それに基づいて実測することでそのデータの信頼性も確保できます。常に予測と実測を繰り返してシステムの信頼性を高める必要があります。
 今回の稲わら問題。その大半が「半径〇〇km」という考え方がなんの意味も持たないということを図らずも見せつけてくれました。出荷した地域では「この稲わらを食べさせなかれば牛が死んでしまう」という状況ではなかったはずです。「データの信頼性が・・・」などと言い訳をしていましたが、そして無策に放置したことで無意味な牛の内部被ばくを招き、そしてその肉が全国各地に販売されてしまうという結果を招きました。某官房長官得意の「直ちに健康に影響のない」ものであることは百も承知ですが、自らが策定した暫定基準をはるかに超える汚染を予防するために対策を取ることができなかったとはあのSPEEDIのデータを見る限りできません。
風評被害は間違いなくこのSPEEDIも含めた情報公開を行わなかったことでさらなる拡大をしたということを、「脱原発」などと戯言を言う前にちゃんと反省してもらわねばなりません。