なぜあえて全国総文祭を福島で強行開催するのか。

http://www.fukushimasoubun.gr.fks.ed.jp/index.htm
が予定通り福島で開催されるようです。そこに住んで良いと主張するためには、全国から人が来ても良いというしかないわけですが、実際問題としてこれらの会場として使用される福島市郡山市の線量は避難区域にもなっている南相馬市よりもはるかに高いという事実をどうやって釈明するのでしょうか。

福島の小中学校の校庭の線量をみると高いところでは6マイクロシーベルト毎時。この線量率の高さの意味を考えてみましょう。
先日問題になった原子力発電所勤務中の女性職員が基準を越える線量の被ばくがあった、というおはなし。女性の被ばく量の制限値は5ミリシーベルト/3ヶ月。これはあくまで放射線業務にあたっている従事者としての制限です。6マイクロシーベルトはその約1000分の1です。1日24時間x90日ということはこの空間にいると3ヶ月で単純計算で13ミリシーベルトという被ばく量になります。この空間線量はたまたまその日だけのピーク値として東京などの遠隔地で3月に観測されたものとは異なり、事故後2ヶ月以上経過しても継続している値です。年間20ミリシーベルトという国が主張する基準は、一般人のためのものではなくて、放射線業務従事者について適用されるべきもので、一般人は不必要な被ばくはしないようにするという基本原則を考えると福島で(それも線量の高い福島市郡山市で)総文祭をあえて強行開催することには疑問を感じざるを得ません。本来であれば、そこに住む子供たち全員を疎開させるべき状況である場所に逆に全国から子供を集めようとする所にはどんな「大人の事情」があるのか知りませんが・・・
さらにいえば、この被ばく量には「内部被ばく」がいっさい考慮されていないという問題があります。実際、件の東電女性職員の被ばく量の大半は内部被ばくによるものでした。内部被ばく量はポケット線量計では測定できませんし、空間線量計で評価することも不可能です。
この場所で生活をしている人たちがどれだけの内部被ばく量であるのか、ということについてなんの情報も提供されていない中で「表層の土を地中のものと入れ替えたら線量が下がりました!!」みたいなことをやっている所に全国から子供を集める神経が理解できません。