ライフイノベーションWG(行政刷新会議)の議題の一つに。

民主党の重要せ作の一つらしい、行政刷新会議の分科会の一つ、規制・制度改革に関する分科会のなかのワーキンググループのうち、ライフイノベーションWGというものがあります。この中で話し合われている議題としていろんなモノが挙げられていますが、リハビリテーション医療に携わる者として注目すべき内容があることをid:zundamoon07先生のエントリーのコメントにid:sawataishi先生が書かれていた文章から知りました。
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/life/1222/item_101222_02.pdf
がその検討項目一覧。
http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/meeting/2010/life/1222/item_101222_03.pdf
がその内容の全て。注目すべきはこの35ページからの「医療保険におけるリハビリの日数制限の見直し」の部分。例のリハビリ難民問題の原因となった180日制限がそのターゲットです。

以下引用を・・・

規制改革の方向性(当初案)
○ 平成 18 年度の診療報酬改定で医療保険におけ るリハビリの日数制限が導入され、その後一部 見直されたものの日数制限は依然として存在 する。症状の改善・回復は個人差があり、一様 に日数で区切ることができるものではないた め、効果が見込まれるか否かの判断は医師が行 なうべきである。したがって、リハビリの継続 に係る医療機関のチェック体制を前提に日数 制限を撤廃すべきである。

担 当 府 省 の 回 答
・ ご指摘の通り症状の改善・回復には個人差があ る為、定められた日数を超えても、医師が「改 善が期待できる」と判断する場合については、 それ以前と同様のリハビリが継続出来るよう 平成 20 年度診療報酬改定において対応をした ところである。従って、ご指摘の様な課題は既 に解決されていると理解している。

改革事項に対する基本的考え方
・ 平成 18 年度の診療報酬改定の背景の一つは、 高齢者リハビリテーション研究会の中間報告 書における「長期にわたって効果が明らかでな いリハ医療が行われている場合がある」「リハとケアとが混同して提供されているものがある」との指摘であったことは事実である。
・ 限られた医療資源の効果的活用という観点に 立てば、効果が明らかでないリハビリ医療に医 療費をかけるべきでないという点は理解できる。
・ しかし、症状の改善・回復は個人差があり、一様に日数で区切ることはできるものではない。
・ 日数制限導入後、わずか1年で一部制限の緩和 がなされ、平成 20 年の診療報酬改定では改善 が見込まれると医師が判断した場合は制限が 外れたが、機能維持のためのリハビリは制限されたままである。
・ リハビリの有効性は、医師及び医療機関の判断に委ねるべきであり、機能維持も含めて、リハ ビリの効果があると医師が判断した場合は、制限日数を設けるべきではない。
・ そもそも、「保険医療機関及び保険医療養担当 規則」第 20 条6号では、「リハビリテーション は、必要があると認められる場合に行う。」と されており、必要性のないリハビリは保険医療 として認められないことはすでに当該規定で 担保されている。
・ リハビリ日数制限の撤廃により、機能回復、自立した生活の実現、あるいは、社会への参画を断念せざるを得ない事例を減らしていくべきである。
具体例、経済効果等
・ リハビリの目的は機能改善だけでなく、機能維 持も含まれるが、機能を維持するためには専門医の処方と本人の努力が必要であり、リハビリ日数制限により状態が悪化したとの意見も多い。
・ 機能維持のためのリハビリは介護保険で行う 整理となっているが、疾病や年齢要件で介護保 険の対象とならない患者も存在する。
・ また、介護保険の通所リハビリテーションは、医師の指導の下でPT、OTを中心に行われるが、運動療法が中心であり、個々の利用者にきめ細かいメニューを組むことに限界がある。
医療保険によるリハビリでは、医師のリハビリ処方せんに基づき、きめ細かく行われ、運動療法はその一メニューである。また、合併症を持つ人への対応(禁忌事項への配慮)なども必要である。
・ また、日数制限を超えてリハビリを提供する際、原則として月13単位までなどの制限があり、これを超えると必要なリハビリであっても保険給付がなされないという問題もある。
・ 仮に平成20年度の診療報酬改定により、必要なリハビリが受けられない事態が解消してい るのであれば、日数制限を撤廃しても問題ないはずであり、必要のないリハビリテーションに対しては指導・監督すればよい。
改革案
医療保険におけるリハビリについては、治療の継続により状態の改善が期待できる場合の他、悪化を防止し、機能を維持することが必要で、かつ期待できると医師が判断した場合も日数制限なく受けられることが必要であるため、次期診療報酬改定で日数制限を撤廃することを検討する。<平成 23 年度検討、結論>